2026年6月20日18時37分

ワールドミッションレポート(6月20日):東アフリカ 迫害国家への「逆流」─帰国者とアフリカ人宣教師①

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(6月20日):東アフリカ 迫害国家への「逆流」─帰国者とアフリカ人宣教師①
中国の支援で建設されたアディスアベバ・ジブチ鉄道を走る貨物列車(写真:Skilla1st / CC BY-SA 4.0)

アフリカの広大な赤い大地に、地平線のかなたまで真っすぐに伸びる巨大な鉄道網と真新しい高速道路が新設されている。これらは、中国が国家の威信を懸けて進める「一帯一路」構想という莫大(ばくだい)なインフラ投資の産物である。

しかし今、この巨大な国家間経済プロジェクトの裏側で、人間の緻密な計算や計画をはるかに超えた霊的ドラマが密かに、そして力強く進行している。資源と経済的利益を求めてアフリカにやって来たアジアの大国が、予期せぬ形で天的な資源を持ち帰るという、現代の宣教における息をのむような奇跡が起きているのだ。

現在、数十万から最大で百万人に達するとも推測される中国人の技術者、建設労働者、そしてビジネスマンたちが、アフリカ大陸の至る所で働いている。彼らの多くは、過酷な肉体労働と長時間勤務に縛られ、愛する家族から遠く離れた異文化の環境の中で、息の詰まるような深い孤独と激しい疎外感にさいなまれている。言葉の壁や文化的な摩擦も相まって、多くのアジア人労働者たちは精神的な孤立状態に陥っていた。

そんな彼らの深い渇きに気付き、無私の愛をもって手を差し伸べたのは他でもない、現地アフリカの教会であった。かつては西洋の宣教師から支援を受ける側であったエチオピアのアディスアベバやケニアのナイロビの教会は、彼らアジアからの労働者たちを単なる「外国人労働者」として遠ざけるのではなく「神が私たちの扉の前に置かれた愛すべき隣人」として温かく迎えたのだ。

多くの福音派教会が、礼拝に中国語(北京語)の通訳を導入し、彼らのための聖書研究クラスや小グループのフェローシップを次々と立ち上げ、あふれんばかりのホスピタリティーで彼らの孤独な心を包み込んだのである。

徹底した無神論の教育を施され、宗教が厳しく統制される国からやって来た中国人にとって、アフリカの信者たちが示した愛と優しさ、躍動感に満ちた賛美、そして生ける神との個人的な交わりは、まさに人生を根本から揺るがす衝撃だ。

孤独の中で教会の扉をたたいた彼らの中で、次々と知的なプライドや分厚く高い壁が砕かれ、数え切れないほどの労働者たちが真の神イエス・キリストに人生を明け渡し、洗礼の恵みにあずかっている。彼らの多くは、自分たちを人格的に愛し、近くにいてくださる神との「最初で最高の出会い」を涙ながらに証ししている。

あるエチオピアの牧師は、このあらがいがたい聖霊の働きについて、深い確信をもって語っている。「私たちは最初、中国が私たちの天然資源を奪うためだけにアフリカへ来たのだと警戒していました。しかし今なら、その背後にあった神の壮大な計画が分かります。神は私たちが持つ最高の宝、『イエス・キリストの福音』を彼らに分かち合えるように、彼らをこの地に遣わされたのです」

この息をのむようなファースト・エンカウンター(神との出会い)は、彼らが任期を終えて母国へと帰還するとき、さらに予測不能な巨大な波となって、世界で最も強固な体制を揺るがすことになる。(続く)

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。