
中国四川省で14日、「家の教会」と呼ばれる政府非公認のプロテスタント教会「秋雨聖約教会」の日曜礼拝に対し、当局が大規模な摘発を行い、長老2人を含む信徒33人を拘束した。米キリスト教人権団体「チャイナエイド」(英語)が明らかにした。
礼拝は、同省成都の北東約160キロにある江油市のホテルの会議室で行われていた。秋雨聖約教会の声明(英語)によると、同日午前11時ごろ、警察官や特殊警察部隊(SWAT)の隊員、その他の関係当局や地元政府の関係者ら60~70人が「会場になだれ込み、集会を強制的に掌握した」という。
この摘発で、晏鴻(イエン・ホン)、呉五清(ウー・ウーチン)の両長老を含む信徒33人が拘束された。当局は、拘束した信徒らを江油市内の拘留施設へ移送した。
一方、高齢者や女性、子ども連れの親たちは会議室にとどめ置かれ、「保証書」への署名を迫られた。しかし、当局者が署名に同意しない限り「保証書」の内容を明らかにしようとしなかったため、多くは署名を拒否。その後、午後6時ごろに2回目の個人情報の収集が行われ、退去を許可されたという。
拘束された信徒らは尋問を経て、午後9時から同11時の間に順次釈放された。しかし、長老2人は14〜15日間の行政拘留を言い渡された。
秋雨聖約教会は、中国で最も有名な家の教会の一つで、当局が2018年12月に大規模な取り締まりに乗り出して以来、圧力にさらされ続けてきた。創設者の王怡(ワン・イー)牧師は、中国政府の信教の自由に対する規制を批判し、政府公認の宗教団体への加入を拒んだことから、19年12月に「国家政権転覆扇動」と「違法なビジネス活動」の罪で懲役9年の判決を受け、現在も収監されている。
王牧師の収監後も、信徒らは度重なる拘束や監視、立ち退きなどの妨害を受けながら、礼拝を守り続けてきた。
チャイナエイドの創設者で会長の傅希秋(ボブ・フー)氏は、「今回の摘発は、中国共産党が平和的なキリスト教の礼拝を国家統制への脅威と見なし続けていることを、改めてはっきりと示すものだ」と指摘。「日曜礼拝に参加したことで、教会指導者や一般信徒、さらには子どもまでが拘束されたことは、信教の自由、基本的人権の重大な侵害だ」と批判した。