2026年6月4日21時21分

ワールドミッションレポート(6月4日):トルクメニスタン 息の詰まる全体主義国家と監視下の統制に耐える信者たち

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(2月5日):トルクメニスタン 統制国家の地下教会はそれでも主を礼拝する
トルクメニスタンの首都アシガバート(写真:John Pavelka / CC BY 2.0)

中央アジアに位置するトルクメニスタンは、世界で最も閉ざされた全体主義国家の一つである。オープンドアーズの最新の「ワールド・ウォッチ・リスト」のランキングでは、35位になっている。この国におけるキリスト教徒の日常は「息が詰まるような」厳しさに覆われている。国家による市民への監視は徹底しており、少しでも体制の枠を外れる活動を行えば、直ちに弾圧の対象となる。

政府は宗教活動全般を極度に警戒しており、特にペンテコステ派やバプテスト派などのプロテスタント教派の指導者たちは「過激派」というレッテルを貼られ、国家の容赦ない監視の標的とされる。新しい教会を公式に登録することは事実上不可能であり、宗教的な書物の所持は厳しく制限され、私的な宗教教育すら禁じられているのだ。

親が子どもにイエス・キリストについて語ることさえ、逮捕や尋問のリスクを伴う危険な行為となる。たとえ政府に容認されているロシア正教会やアルメニア使徒教会であっても、その礼拝には常に当局の監視の目が光っている。

しかし、信者たちを苦しめているのは政府の監視だけではない。トルクメニスタン社会、特に農村部において、イスラム教からキリスト教へ改宗した人々(MBB)は、自らの家族や地域社会から最も過酷な迫害を受けることになる。イスラムを離れることは一族の恥と見なされ、コミュニティーからの完全な排斥を意味するからだ。

中央アジアで活動する信徒のエフゲニー(仮名)は、こう証言する。「残念ながら、状況は依然として厳しいままです。特に地方では、若いクリスチャンの女性たちがイスラム教徒との結婚を強制される事態が起きています。また、イスラム教からキリストに来た人々は、自分の家族から拒絶されることが多いのです」

今年のワールド・ウォッチ・リストにおいて、トルクメニスタンは順位を6つ下げたものの、それは決して迫害が緩和されたことを意味しない。昨年、キリスト教徒に対する直接的な暴力行為が報告されなかったことは感謝すべきことだが、それは当局の締め付けがあまりにも強固であるため、人々が沈黙を強いられている結果に過ぎない。国家の絶対的な統制と、家族からの報復という二重の脅威は、今も変わらず信者たちに重くのしかかっている。

主イエスは言われた。

互いの間に愛があるなら、それによって、あなたがたがわたしの弟子であることを、すべての人が認めるようになります。(ヨハネ13:35)

厳しい逆境の中にあっても、彼らのうちにある互いの愛が明らかになるとき、キリストの父なる神の正しさが明示されるのだ。

トルクメニスタンのために祈ろう。全体主義体制の重圧と監視の下で、恐れと闘いながら群れを導いている教会のリーダーたちに、神からの安全と勇気が与えられるように。家族やコミュニティーから拒絶され、孤独の中で信仰を守っている改宗者たちが、聖霊によって力づけられ、家族の中にあってキリストの光を放つ存在となれるように。そして、信者たちが教派の壁を越えて一つとなり、その愛がキリストの証しとなって、この強固な体制の壁を打ち破る日が来るよう祈っていただきたい。

■ トルクメニスタンの宗教人口
イスラム 58・7%
プロテスタント 0・8%
カトリック 0・9%
正教徒 9・8%
仏教 0・1%
無宗教 33・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。