2026年5月26日11時34分

ワールドミッションレポート(5月26日):メキシコ カンクンのリゾートビーチでひざまずく若者たち

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(5月26日):メキシコ カンクンのリゾートビーチでひざまずく若者たち
メキシコを代表するリゾート地のカンクン(写真:dronepicr / CC BY 2.0)

メキシコ屈指のリゾート地がカンクンだ。春休みのシーズンを迎えたこの美しいビーチは、連日連夜、音楽と酒、そしてパーティーに熱狂する若者たちであふれかえる。表面的には享楽の限りを尽くし、人生を謳歌(おうか)しているように見える彼らだが、その喧騒(けんそう)の裏側には、決して満たされることのない深い渇きと孤独が隠されている。

この「夜の街の中心地」に、福音の光を携えた48人の伝道者たちが世界中から集結し、「Reach Cancun」と呼ばれる10日間のアウトリーチ(伝道活動)を展開した。彼らは、決して教会に足を踏み入れようとはしない若者たちのもとへ「出向く教会」となることを選んだのである。

伝道チームのリーダー、スコット・ランゲマイヤー氏は、この砂浜で起きた驚くべき救いのドラマを語る。ある時、片手にビールを持ったままの若い男性と出会った。彼は、母親をアルコール依存症で亡くし、2人の兄弟を養わなければならないという重い責任と悲しみを背負っていた。

伝道者がただ静かに彼の痛みに耳を傾け、イエス・キリストがどれほど彼を愛し、その存在を気にかけているかを語り始めたとき、信じられないことが起きた。彼は突然、手にしていたビールを砂浜に全て投げ捨て、「自分の人生をイエスにささげたい」と告白したのである。

また別の夜、ビーチで深い悲しみに沈んでいる女性に声をかけた女性伝道者は、「あなたのために祈ってもいいですか」と優しく尋ねた。人生で初めて自分のために祈ってもらったその女性は、涙を流して心を開いたという。

さらに別の男性は、最初は福音のメッセージに強い抵抗を示していたが、やがて神の愛に完全に打ち砕かれ、人目も気にせず砂浜にひざまずいた。彼は自らの罪の重荷を告白して赦(ゆる)しを求め、カンクンの海で洗礼を受けた。

驚くべきことにその翌日、彼は自分の父親を連れて再びビーチに現れ、自ら他の若者たちに聖書を配り始めたのである。この10日間の活動を通して、22人もの若者たちがカンクンの海で洗礼を受けたのだ。

主イエスは言われた。

渇く者は来なさい。いのちの水がほしい者は、それをただで受けなさい。(黙示録22:17)

若者たちの渇きを、一時的なごまかしではなく、真に癒やすことができるのは、イエス・キリストが与えるいのちの水だけだ。

彼らを突き動かしたのは、説教や宗教的な義務感ではなく、ただ「自分を見つめ、愛してくれる存在」との生きた出会いであった。歓楽街という一見して福音から最も遠く見える場所であっても、神の恵みは渇いた魂を決して放ってはおかない。

カンクンの海辺でキリストと出会った若者たちと、前線に立つ伝道者たちのために祈ろう。アルコールの瓶を手放し、砂浜にひざまずいて救いを受け入れた彼らの新しい歩みが、それぞれの日常に戻った後も力強く守られ、信仰が豊かに育まれていくように。

また、世界中の観光地や夜の街の中心地で、見せかけの楽しさの背後で絶望を抱えている人々の渇ける魂に福音の光が差し込むように。そして、神の愛はどのような暗闇の場所にも必ず届き、魂を完全に自由にすることができるという真理が、さらに多くの力強い証しを通して現されるよう、祈っていただきたい。

■ メキシコの宗教人口
カトリック 77・7%
プロテスタント 11・2%
無神論者 3・6%
土着の宗教 1・2%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。