2026年5月21日17時38分

シリア語の世界(50)東方教会の教理問答書⑤第一位格の父なる神と天使について② 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

前回に続いて、東方アッシリア教会の信仰教理問答を紹介する。シリア語聖書による学びは、東方書体で記していく。

東方教会の教理問答書『メシアの教え(メシアニック・ティーチング)』⑤

問52:天使は何をしますか。
答え:彼らは絶えず神を崇拝し、仕えます。

問53:彼らは人間に対して何をしますか。
答え:彼らは人間を助け、しばしば神の意志を知らせます。

問54:もしそうであるなら、彼らはしもべの階級に属しているのですか。
答え:いいえ、それは私たち人間が理解している「しもべ階級」ではありません。しかし、彼らについては、聖書は次のように述べています。「彼らは皆、永遠の命を受け継ぐ者たちに仕えるために遣わされた奉仕の霊」ということです(ヘブル1:14)。

問55:彼らはどのような点で奉仕の霊なのでしょうか。
答え:彼らはさまざまな点で奉仕の霊です。その中で最も重要なのは次のことです。1)彼らは聖徒たちの祈りを神の前に差し出します(黙示録8:3、4)。2)彼らは死者の霊を楽園へと運びます(ルカ16:22)。3)彼らは審判の日に刈り取る者になります(マタイ13:39)。

問56:天使に助けられた人々の名前を挙げてください。
答え:はい、私たちの主イエス・キリストは完全な神で完全な人であったにもかかわらず、苦難の時に助けられました(マタイ4:11、ルカ22:43)

問57:他に誰かいますか。
答え:はい、私たちのような小さな子どもたちは、天使に助けられています(マタイ18:10)

問58:大人の中で、天使から助けられた人はいますか。
答え:はい、シモン・ペテロでさえそうです(使徒12:7)。

問59:天使が神の意志を知らせた人たちの名前を挙げることができますか。
答え:はい、1)アブラハム(創世記12:1、2、17:2、8、22:11、12)。2)サムソンの母(士師記13:3〜5)。3)洗礼者ヨハネの父ザカリヤ(ルカ1:11〜20)。主の母マリア(ルカ1:26〜38)。

問60:神はなぜあなたを造られましたか。
答え:神は私を永遠に愛し、私が神に仕え、奉仕し、礼拝をささげるために造られました。

(続く)

■ シリア語聖書による学び:ヘブル人への手紙1章6、7節(シリア語は東方アッシリア教会で使用される東方書体)

シリア語の世界(50)東方教会の教理問答書⑤第一位格の父なる神と天使について② 川口一彦

<<前回へ     次回へ>>

※ 参考文献
『MESSIANIC TEACHINGS OF THE HOLY APOSTOLIC AND CATHOLIC CHURCH OF THE EAST』(1962年)
川口一彦著『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)

◇

川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。