2026年4月23日22時18分

シリア語の世界(48)東方教会の教理問答書③第一位格の父なる神について 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

前回に続いて、東方アッシリア教会の信仰教理問答を紹介する。シリア語聖書による学びは、東方書体で記していく。

東方教会の教理問答書『メシアの教え(メシアニック・ティーチング)』③

第一位格の父なる神(アロホ)について

問25:三位一体神の最初の位格のお名前は何ですか。
答え:父なる神です。

問26:なぜ彼はそのように呼ばれるのですか。
答え:主であり神であるイエス・キリストの父であるからで、そのように語られ、呼ばれているからです。

問27:これはどういう意味ですか。
答え:子は世界が生まれる前に、はじめもない前から、父から生まれたからです。

問28:父は子より前に存在されていましたか。そして、父は子より偉大ですか。
答え:地上に来られ、人となられたときはそうだけれど、神としては、そうではありません。

問29:なぜそのように言えますか。
答え:父・子・聖霊には始まりがなく、この三位が一つとして唯一の神だからです。

問30:これを示す例を挙げてください。
答え:太陽を例えれば、物質と光と熱がありながら、一つの太陽だからです。

問31:聖書の中に、これの証明がありますか。
答え:たくさんあり、イエスは言われました。「わたしと父は一つです」。さらに「わたしが父におり、父がわたしにおられることを信じないのですか」(ヨハネ10:30、14:10)

問32:父なる神は、私たちの主イエス・キリストだけの父ですか。
答え:いいえ、ある意味、神は全ての人の神で、特にキリスト者の父でもあります。

問33:それはどうしてですか。
答え:神は、全ての人の創造主です(創世記1〜2章、マラキ2:10)。しかし、キリスト者は聖なる洗礼により、神から新たに生まれ、子とされました。

問34:信条では、神はどのような名で呼ばれていますか。
答え:全能の父なる神です。

問35:そうなら、子と聖霊は全能ではないのですか。
答え:三位は全て等しく、それぞれが全能の方です。

問36:信条には、他にどのような呼び名で呼ばれていますか。
答え:「目に見えるものと見えないものの全ての創造主」

問37:神の目に見えない被造物を教えてください。
答え:善なる天使、人の霊魂、悪霊であるサタンです。

(続く)

■ シリア語聖書による学び:マタイの福音書28章19節(シリア語は東方アッシリア教会で使用される東方書体)

シリア語の世界(48)東方教会の教理問答書③第一位格の父なる神について 川口一彦

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※ 参考文献
『MESSIANIC TEACHINGS OF THE HOLY APOSTOLIC AND CATHOLIC CHURCH OF THE EAST』(1962年)
川口一彦著『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。