2026年4月18日14時47分

ワールドミッションレポート(4月18日):タジキスタン 迷信と過激派の狭間で揺れる中央アジアの山岳国

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(4月18日):タジキスタン 迷信と過激派の狭間で揺れる中央アジアの山岳国
タジキスタンの首都ドゥシャンベ(写真:VargaA / CC BY-SA 4.0)

中央アジアの南東部、国土の90パーセント以上を険しい山岳地帯が占める山岳国家がタジキスタンだ。アフガニスタンや中国と国境を接するこの国は現在、複雑な宗教的・政治的な緊張のただ中にある。

タジキスタンの人口の約94パーセントはイスラム教徒であるとされている。1991年の旧ソ連からの独立直後には、全国各地でモスクが急増し、イスラム復興の波が押し寄せた。しかし現在、人々の信仰の実態は一枚岩ではない。実際には、純粋なイスラム教の教えを厳格に実践している層はごく一部であり、多くの一般市民の生活は、古くから伝わる土着の迷信や、ゾロアスター教の名残がある民間信仰に強く影響されているのが実情だ。

現在、この国の宗教状況を最も複雑にしているのが「政府による極端な統制」と「外部からの過激派の脅威」である。南に国境を接するアフガニスタンや、近隣のイランからのイスラム過激派の浸透を極度に警戒するタジキスタン政府は、国内でのモスクの建設を厳しく制限し、未成年のモスクへの立ち入りを禁止するなど、宗教活動全般に対して非常に強硬な弾圧政策をとっている。

この厳しい政府の統制と監視の目は、当然ながら少数派であるキリスト教徒(人口の約1パーセント、福音派はわずか0・1パーセント)にも向けられており、教会の活動や伝道は大きな困難を伴っている。また、イスラム教からキリスト教へ改宗した少数の信者たちは、政府だけでなく、家族や地域社会からの激しい迫害に直面している。彼らは過激化するイスラム社会の圧力と、それを力で押さえつけようとする国家の監視という、二重の重圧の狭間で息を潜めるように信仰を守っている。

タジキスタンのために祈ろう。政府による厳しい宗教統制の下でも、現地の教会と少数の信者たちが決して希望を失わず、力強く信仰を保ち続けることができるように。過激なイスラム主義の脅威が退けられ、この国に真の平和がもたらされるように。そして、古い迷信の縛りや、恐怖による支配の中で真理を探し求めている数多くのタジキスタンのイスラム教徒たちが、イエス・キリストの福音に出会うことができるように祈っていただきたい。

■ タジキスタンの宗教人口
イスラム 93・9%
プロテスタント 0・1%
カトリック 0・01%
無神論者 5・0%
正教会関係 0・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。