
米テキサス州教育委員会は9日、州内の幼稚園から高校までの公立学校の園児や児童、生徒ら約540万人が対象となる必読の文学作品リストに聖書の内容を含める案を、9対5の賛成多数で暫定承認した。
同委は6月に予定されている最終採決までにリストを修正する機会が複数回あるが、最終承認されれば、2030年から州内の全ての公立学校で義務化されることになる。
テキサス州教育庁が作成したリスト案(英語)には、必読の文学作品として、以下の聖書に基づいた書籍や聖書本文が掲載されている。
- 「黄金律」―幼稚園
- 「放蕩(ほうとう)息子の例え」―小学1年
- 「ダマスカスへの道」―小学3年
- 「心配するな(マタイ6章25〜34節)」─小学6年
- 「ヨナとクジラ(ヨナ書)」─中学1年
- 「愛の定義(1コリント13章)」─中学1年
- 「羊飼いの賛歌(詩編23編)」─中学1年
- 「8つの祝福(マタイ5章1〜12節)」─中学2年
さらに、英語の学習用に、以下の聖書箇所が割り当てられている。
- 英語1:「ダビデとゴリアテ(サムエル記上17章)」「哀歌3章」
- 英語2:「バベルの塔(創世記11章1〜9節)」
- 英語3:「何事にも時がある(コヘレトの言葉3章)」
- 英語4:「ヨブ記1~7、11、14、19、28、38〜42章」
このうち、幼稚園から小学3年までについては、聖書本文ではなく、テキサス州が発行する聖書に基づいた内容の書籍がテキストとなっている。
聖書本文がテキストになる場合、使用する訳も定められており、英語標準訳聖書(ESV)や新国際リーダーズ訳聖書(NIRV)、欽定(きんてい)訳聖書(KJV)などが指定されている。哀歌3章については、ユダヤ出版協会(JPS)発行の英語訳聖書「JPSタナハ1917」が指定されている。
リストには聖書の他に、「赤ずきん」「ピーターラビット」「華氏451度」「オデュッセイア」「はらぺこあおむし」「リンクル・イン・タイム(五次元世界のぼうけん)」といったおなじみの文学作品や、マーティン・ルーサー・キング牧師の「私には夢がある」などの演説が含まれている。
2023年に制定された州法により、テキサス州教育庁はリスト案の作成を義務付けられていた。
テキサス州教育委員会は、2024年11月には公立小学校向けに聖書を取り入れた選択制カリキュラムを承認している。
テキサス州では、こうした公立学校の教育に聖書を取り入れようとする動きがあり、昨年6月にはグレッグ・アボット知事が、公立学校に十戒を掲示することを義務付ける州法に署名している。一方、この州法に対してはこれまでに、20以上の学区で保護者らが訴訟を起こしており、一部の学区では施行が一時的に停止されている。
テキサス州はこの他、2023年にはチャプレンが公立学校の生徒にカウンセリングを行うことを全米で初めて承認。各学区が生徒のためのチャプレンを置く選択肢を与えている。しかし、実際にチャプレンを雇用した学区は限られており、多くが採用を見送っている現状もある。