2026年4月7日10時30分

ワールドミッションレポート(4月7日):コモロ インド洋のイスラム要塞─困難に立つ島々の信徒

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(4月7日):コモロ インド洋のイスラム要塞─困難に立つ島々の信徒
コモロのアンジュアン島(写真:Haryamouji / CC BY-SA 3.0)

マダガスカルの北西、インド洋に浮かぶ美しい島国コモロ。毎年オープンドアーズが発表している「ひどい迫害国ランキング50」のワールド・ウォッチ・リストにおいて、コモロは43位に位置している。風光明媚(めいび)な観光地としての顔の裏で、この国はキリスト教徒にとって極めて過酷な「イスラムの要塞」と化している。

この国で今、教会の存立を脅かしているのは「完全な信教の自由の欠如」と「共同体からの厳しい弾圧」という、逃げ場のない2つの圧力だ。

第一の脅威は、スンニ派イスラム教を絶対的な国教とする社会体制である。コモロでは、信教の自由は事実上存在せず、法律によって公の場でのキリスト教の礼拝や伝道活動(改宗の勧誘)は厳しく禁じられている。

その実態は、単なる嫌がらせの域を超えている。少数派である福音派の信徒や教会の指導者たちは、常に当局の厳しい監視下に置かれている。誰かに信仰について話すことすら「不法な伝道活動」と見なされ、処罰の対象となる。そのため、キリスト信者らは常に恐怖と不確実性の中で信仰生活を送ることを余儀なくされている。

第二の、そして最も個人的で深刻な脅威は、家庭や地域社会という密室で起きている。イスラム教からキリスト教へ改宗した者(MBB)は、家族や地域社会から最も激しい迫害を受けることになる。

コモロの社会において、イスラム教を捨てることは社会からの完全な孤立を意味する。改宗が発覚すれば、職場では厳しい差別と排斥が待つ。子どもを持つ親は、強制的に子どもをイスラム教の学校(マドラサ)に通わせるよう圧力をかけられる。さらに、この国は海外への人身売買の中継地点ともなっており、社会から孤立したキリスト教徒の女性は搾取の標的にされやすく、家庭内暴力の危険にも常にさらされている。

しかし、このような厳しい試練の中にあっても、コモロの信者たちは耐え忍んでいる。オープンドアーズの支援を通じてビジネスを立ち上げた現地の信徒ナディア(仮名)は、こう祈りを求めている。

「兄弟姉妹の皆さん、主が私と私の仕事を祝福し続けてくださるよう祈ってください。そして、多くの問題を抱えるこの国のためにも祈ってください。ここに住む人々が、暗闇から守られますように」

コモロのために祈ろう。イスラム教から改宗し、全てを失う覚悟でキリストに従う兄弟姉妹たちに、強固で忍耐強い信仰の賜物が与えられるように。当局の監視や社会の圧力によって「沈黙」を強いられ、孤独の中で戦っている信者たちに、人間の理解を超えたキリストの平安と慰めが注がれるように。そして、不可能に見える状況の中にあっても、神の保護と救いの業がこの美しい島々に力強く現れるよう祈っていただきたい。

「これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました」(ヨハネ16:33)

■ コモロの宗教人口
イスラム 97・8%
プロテスタント 0・3%
カトリック 0・6%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。