2026年4月1日16時20分

ワールドミッションレポート(4月1日):タンザニア 呪術と貧困の闇に包括的宣教がともす希望

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(4月1日):タンザニア 呪術と貧困の闇に包括的宣教がともす希望
タンザニアの旧首都ダルエスサラームにある聖ヨセフ・カトリック教会(写真:David Stanley / CC BY 2.0)

東アフリカに位置する雄大な自然の国、タンザニア。周辺諸国が紛争や政情不安に揺れる中、この国は長らく「平和の島」として安定を保ってきた。現在も暴力から逃れてきた数十万人以上の難民を他国から受け入れて保護しており、東アフリカ地域におけるキリスト教宣教の重要な拠点ともなっている。

しかし、この平和な国にも見過ごすことのできない深い霊的な暗闇が潜んでいる。それは呪術と迷信のまん延である。

タンザニアでは、キリスト教(人口の約54%)やイスラム教といった主要宗教の背後に、土着の呪術信仰が深く入り込んでいる。このオカルト的な呪縛の代償は極めて根深い。富や健康を得るための呪術的儀式を目的とした性的虐待や、アルビノ(先天性色素欠乏症)の人々が呪術の標的にされて手足を切断されたり、殺害されたりする凄惨な事件が今も後を絶たない。

さらに国民を苦しめているのが「構造的な貧困」と「腐敗」である。急速な都市化と社会の汚職が問題を複雑化させる一方で、農村部では安全な飲料水、医療、教育、道路といった基本的なインフラが決定的に不足している。また学校教育は、農村部では教育格差が残り、中等教育への進学が課題となっている。貧しい家庭の子どもたちから未来の選択肢が奪われているのだ。

このような根深い課題に対し、タンザニアの教会と宣教団体は「包括的なミニストリー」を展開している。単に言葉で福音を伝えるだけでなく、学校や病院の建設、農業支援とマイクロローンといった地域開発を通して人々の物質的・社会的な必要に直接応えている。貧困や呪術の呪縛から人々を完全に解放するためには、キリストの愛を具体的な行動で示すこのアプローチが不可欠となっている。

「父である神の御前できよく汚れのない宗教とは、孤児ややもめたちが困っているときに世話をし、この世の汚れに染まらないよう自分を守ることです」(ヤコブ1:27)

タンザニアのために祈ろう。呪術やオカルトの悪習が吹き払われ、社会に真の保護と調和をもたらす知恵が与えられるように。まん延する汚職や貧困の連鎖が打ち破られ、国全体がキリストの主権によって変革されるように。そして、教育や医療を通した教会の「包括的なミニストリー」がさらに力強く推し進められ、貧困に苦しむ人々に福音の光がともされるよう祈っていただきたい。

■ タンザニアの宗教人口
プロテスタント 17・3%
カトリック 27・1%
英国教会 7・3%
イスラム 31・2%
土着宗教 13・0%
正教会関係 0・1%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。