2026年3月23日09時48分

ワールドミッションレポート(3月23日):カザフスタン 監視社会と改宗者の試練

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(3月23日):カザフスタン 監視社会と改宗者の試練
カザフスタンの首都アスタナ(写真:Ken and Nyetta / CC BY 2.0)

ユーラシア大陸の中心に位置する広大な資源国がカザフスタンだ。毎年オープンドアーズが発表している「ひどい迫害国ランキング50」のワールド・ウォッチ・リストにおいて、カザフスタンは45位に位置している。この国で今、教会の存立を脅かしているのは「政府による監視と法的規制」と「親族・地域社会からの圧力」という、逃げ場のない2つの圧力だ。

第一の脅威は、社会のあらゆる側面を統制しようとする政府の厳しい監視体制である。彼らは「イスラム過激派対策」を口実にして、宗教活動全般を厳しく制限している。

その実態は、単なる嫌がらせの域を超えている。特にバプテスト派やペンテコステ派などの福音派教会は「外国の影響」と見なされ、国家指定の場所以外での集会に対する強制捜査や逮捕、罰金が課せられることが日常化している。

最近では、国境を越えようとしたバプテスト派の信者たちが引き止められ、カザフ語の新約聖書を含む数百冊のキリスト教書籍が没収されるという事件が起きた。この国の厳格な規制は、聖書を奪い取ることにも及んでいるのだ。

第二の、そして最も個人的で深刻な脅威は、家庭や地域社会という密室で起きている。イスラム教からキリスト教へ改宗した者(MBB)は、家族や地域社会から最も激しい迫害を受けることになる。

カザフ社会において、イスラム教を捨てることは「カザフ人としてのアイデンティティー」に対する明確な攻撃であり、裏切りと見なされる。そのため、改宗した者は家族によって自宅に軟禁されたり、暴力を振るわれたり、コミュニティーから追放されることも珍しくない。多くの改宗者が、身の安全のために自らの信仰を隠して生きざるを得ないのが現実だ。これらの近い者たちからの迫害は、厳格なイスラムや異教社会で見られる同じ傾向だ。

しかし、このような厳しい試練の中にあっても、カザフの信者たちは「真の自由」を証しし続けている。イスラム教から改宗したユラ(仮名)は、洗礼を受けたときの感動をこう語る。「水から上がったとき、信じられないほどの喜びと自由を感じました。もう自分を隠したくないと心から思いました。一生忘れることのない瞬間です」

カザフスタンのために祈ろう。厳しい宗教法と監視体制の下で重圧に耐えている教会やリーダーたちが、聖霊による新たな力を得て守られるように。極度に制限されている聖書やキリスト教の書籍が、霊的な飢え渇きを持つ信者たちの手元に安全に届けられるように。迫害の中にあるカザフスタンの信者たち、特にキリストに従うことを選んだ故に家族や友人を失ったMBBたちに、人間の理解を超えたキリストの平安が注がれ、神の家族としての豊かな慰めが与えられるよう祈っていただきたい。

■ カザフスタンの宗教人口
イスラム 58・7%
プロテスタント 0・8%
カトリック 0・9%
正教徒 9・8%
仏教 0・1%
無宗教 33・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。