2026年2月26日11時24分

ワールドミッションレポート(2月26日):コロンビア キリスト教大国に潜む死の影─犯罪組織と伝統という2つの迫害

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(2月26日):コロンビア キリスト教大国に潜む死の影─犯罪組織と伝統という2つの迫害
コロンビアの首都ボゴタ東部にあるカトリック教会の聖地、モンセラーテの丘の教会(写真:MARCO CARDENAS / CC BY 2.0)

南米大陸の北西に位置するのがコロンビアだ。国民の約95%がキリスト教徒(カトリックおよびプロテスタント)というこの国が、毎年発表されるオープンドアーズのワールド・ウォッチ・リスト(ひどい迫害国ランキング50)で47位に入っていると聞けば、多くの人が驚くかもしれない。政府による宗教弾圧や他宗教からの迫害がないこの国で、教会の脅威となっているのは、「犯罪組織」と「先住民族の伝統」である。

第一の、そして最大の脅威は、国中の多くの地域を牛耳る麻薬カルテルや武装ゲリラといった犯罪組織だ。彼らにとって、真の福音を宣べ伝え、世の光、地の塩として生きようとする教会は「邪魔な存在」でしかない。

なぜなら、教会が若者たちに福音の希望を与えれば、ギャング構成員のリクルートが妨害されるからだ。さらに、教会が元ギャングの更生を助け、麻薬や暴力に反対する声を上げれば、犯罪組織の支配力や資金源を直接的に脅かすことになる。そのため、勇気ある牧師や教会リーダーたちは、恐喝、暴力、そして暗殺の標的となっている。

この現実は決して誇張ではない。昨年7月には、グアビアーレ県で、地域社会で良い証しを立てていた2つの福音派教団のリーダー7人の遺体が集団墓地から発見されるという痛ましい事件が起きている。「これらの組織に対する批判と受け取られる言葉は、会衆全体を危険にさらすのです」と、ある現地の牧師は語る。

第二の脅威は、独自の自治権を持つ先住民族の居住地域で起きている。これらの地域でイエス・キリストに従うことを決心した者は、先祖代々の伝統と文化に対する「裏切り者」と見なされる。伝統的なリーダーたちにとって、キリスト教への改宗は「洗脳」であり、改宗者は差別、投獄、あるいは村からの追放という厳しい制裁を受けるのだ。

2つの異なる方向からの迫害に挟まれながらも、コロンビアの教会は決して後退していない。

シメオン牧師(仮名)は、暴力によって人々が家から出られず、飢えに苦しんでいる紛争地域について、力強くこう語る。「だからこそ、私たちはそこへ行かなければならないのです」。彼らは命の危険を顧みず、最も暗く、最も助けを必要としている場所へ福音を携えて入っていく。

コロンビアのために祈ろう。犯罪組織に立ち向かい、若者たちの命を救い出そうとしている牧師や教会リーダーたちが暴力から守られるように。村を追放される危険の中で信仰を守る先住民族の兄弟姉妹たちに、主からの励ましがあるように。そして、彼らの命懸けの証しが、暴力と紛争に引き裂かれた地域社会に聖霊による新生と変革をもたらすよう祈っていただきたい。

■ コロンビアの宗教人口
カトリック 82・1%
プロテスタント 7・8%
英国教会 0・02%
土着の宗教 2・9%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。