2026年2月24日19時39分

「絶望の隣は希望」 在日ウクライナ正教会、ロシアの軍事侵攻4年で祈りの集会

「絶望の隣は希望」 在日ウクライナ正教会、ロシアの軍事侵攻4年で祈りの集会
ロシアによる軍事侵攻が始まってから4年となったことを受け、在日ウクライナ正教会「聖ユダミッション」が主催して開かれた祈りの集会=24日、日本聖公会聖オルバン教会(東京都港区)で

ロシアがウクライナに軍事侵攻してから4年となった24日、在日ウクライナ正教会「聖ユダミッション」が主催する祈りの集会が、日本聖公会聖オルバン教会(東京都港区)で開かれた。集会では、戦争の犠牲者と生存者のために祈りがささげられたほか、広島の原爆を生き抜いた「被爆バイオリン」による演奏も行われた。

集会は、ウクライナ、英国、ギリシャ、キプロス、バチカン各国の駐日大使や駐日代理公使も出席して行われ、さまざまな国籍の約60人が参加した。宗派にとらわれない諸宗教による祈りの集いとして開かれ、ユダヤ教や神道の代表者も出席し、祈りをささげた。

ロシアの全面的な軍事侵攻から4年が経過した戦争は、両軍の死傷者・行方不明者が推計で約180万人に上り、消耗戦の様相を呈している。既に、第2次世界大戦でナチス・ドイツと旧ソ連が繰り広げた独ソ戦の戦闘期間を超えており、米国が仲介する和平交渉も大きな進展は見られない。

希望を見いだしづらい状況だが、集会は「絶望の隣は希望」をテーマに開かれた。聖ユダミッションのポール・コロルク長司祭は冒頭のあいさつで、「絶望の気持ちがすごくあふれています。悲しい、苦しい気持ちです」と話す一方、「でも、奇跡のように、その暗闇の中から光があちこちにいっぱい出ています」と強調。多くの人がウクライナを気にかけてくれていることや、音楽や美術などが持つ力の大きさを語った。

「絶望の隣は希望」 在日ウクライナ正教会、ロシアの軍事侵攻4年で祈りの集会
絶望の中で見いだす希望について、明るい顔で話すコロルク長司祭

被爆バイオリンは、桐朋学園大学に在学する吉田藍さんと、安塚かのんさんが演奏した。長崎出身の吉田さんと、広島出身の安塚さんは共に被爆3世。この日は、ミコラ・リセンコの「失望の瞬間」と、イホール・シャモーの「わがキーウ」の2曲を、被爆バイオリンとビオラで奏でた。

集会ではこの他、聖ユダミッションの聖歌隊が、キリーロ・ステツェンコ作曲の聖歌「詩編103(104)編」を賛美。最後には、コロルク長司祭の引導で、ウクライナ正教会の祈りを参加者全員でささげるとともに、ウクライナの国家的賛美歌「ウクライナへの祈り」を歌った。

被爆バイオリンとビオラによる「わがキーウ」の演奏