2026年2月23日17時42分

「性虐待被害者のための祈りと償いの日」 日本の各カトリック教区が呼びかけ

カトリック司祭・神父
※ 写真はイメージです。(写真:ChiccoDodiFC / Shutterstock)

日本のカトリック教会の各教区が、「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を前に、教会内の性的暴力撲滅を訴えるとともに、ミサや祈りの集いへの参加を呼びかけている。

「祈りと償いの日」は、カトリック教会の聖職者による性的虐待が世界的に明るみになったことを受け、前ローマ教皇フランシスコが2016年、全世界の司教団に制定を指示したもの。日本では四旬節第2金曜日と定められ、今年は3月6日がその日に当たる。

日本カトリック司教協議会会長で東京大司教でもある菊地功枢機卿は23日、東京大司教区のホームページに、「祈りと償いの日」に関する文書を掲載。世界には、戦争や紛争といった暴力や、貧困や不正義に起因する暴力があるが、性的暴力は「人間の尊厳をないがしろにする、いのちに対する直接の暴力」だとし、「キリスト者が生きる道ではありません」と強く否定した。

それにもかかわらず、教会内においても性的な暴力やハラスメントは実在しているとし、一人一人が責任を自覚して撲滅しなければならないと強調。また、聖職者ら教会指導者が、性的な暴力やハラスメントを働いた事例も実在すると認め、「大変申し訳なく思います」と述べた。

文書では、東京大司教区の取り組みや課題にも言及しつつ、「自らに課せられている責任を誠実に果たしていく決意を新たにいたします」と表明。最後には、「神からの賜物であるいのちに対する暴力を働き、人間の尊厳をないがしろにした私たち教会の罪を心から謝罪いたします。神のいつくしみの手による癒やしによって被害を受けられた方々が包まれますように、心から祈ります」と、謝罪と祈りの言葉を添えている。

この他、新潟教区、京都教区、広島教区などが23日までに、各教区主教の名義で「祈りと償いの日」に関する呼びかけやミサの案内をホームページに掲載。大阪高松大司教区は、ハラスメント対応委員会による集会の案内を掲載している。

日本のカトリック教会では、2002年に司教団が、12年に「子どもと女性の権利擁護のためのデスク」が、聖職者による性的虐待の調査を実施。20年には、その後の追加調査なども含めて結果が公表され、聖職者から性的虐待を受けたという訴えは、19年までに16件あったことが分かっている(関連記事:日本のカトリック聖職者による児童性的虐待、訴えは16件 司教協議会が調査結果を発表)。

また、21年には「未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン」を制定し、その後は毎年、ガイドラインの遵守状況を公表している。それによると、聖職者や教会職員などから性的虐待を受けたとする申し立ては、22年度は4教区で5件、23年度は2教区で3件、24年度は2教区で3件あった。また、24年度は、全15教区中14教区が「祈りと償いの日」のミサを実施したが、司祭・修道者の研修を実施した教区は7教区、教区内で性的虐待防止に関する行事・研修会を実施した教区は6教区にとどまった。