2026年2月22日19時31分

ワールドミッションレポート(2月22日):中国 バック・トゥ・エルサレム─止められない宣教の波①

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(2月22日):中国 バック・トゥ・エルサレム─止められない宣教の波①
中国の首都・北京(写真:郭友柏 / CC BY-SA 4.0)

長年、中国は世界最大の宣教地として認識されてきた。しかし今、中国は世界最大級の宣教部隊へと変貌を遂げているのをご存じだろうか。中国の家の教会(地下教会)が掲げる壮大なビジョン、それが「バック・トゥ・エルサレム」(BTJ)運動である。

「バック・トゥ・エルサレム」といっても、これは政治的な意味合いや、ユダヤ教的なシオニズム運動とは全く異なる。これは、「福音はエルサレムから始まり、西回り(欧州・米国)で世界を巡った。今、中国の教会がバトンを受け取り、残された東回りのルートを通って、福音をエルサレムまで持ち帰る」という、大宣教命令の完了を目指す霊的なビジョンである。

この運動の起源は、驚くべきことに1920年代までさかのぼる。当時、山東省の「イエス・ファミリー(耶蘇家庭)」や、中国北西部の霊的運動の中、信徒たちは祈りの中で幻を見た。それは、中国から西へ向かい、イスラム圏、仏教圏、ヒンズー教圏を通り抜け、エルサレムに至るまで福音を宣べ伝えよという召命であった。

1940年代には、実際に宣教師団(北西霊工団など)が組織され、彼らはシルクロードを通って西方への伝道を開始した。しかし、1949年の共産党政権樹立とともに、この運動は「帝国主義の手先」として徹底的な弾圧を受けることになる。指導者たちは投獄され、教会は地下に潜り、BTJの火は完全に消え失せたかに見えた。

実際、指導者の一人であるサイモン・チャオは、信仰の故に40年もの間、刑務所に収監されていた。しかし、冷たく暗い独房の中でさえ、彼らはこのビジョンを捨てなかった。彼らは祈り続けたのである。「主よ、中国の教会を用いてください。私たちが福音をエルサレムまで運びます」

数十年にわたる沈黙と迫害の時代を経て、彼らが釈放されたときには、奇跡が起きていた。まかれた種は死に絶えてはおらず、地下深くで根を張り、数千倍の実を結んでいたのだ。2000年代に入り、中国の家の教会のネットワークがつながり合う中で、この古いビジョンが再び爆発的な力を持ってよみがえったのである。

かつての宣教師たちは徒歩で道なき道を行こうとしたが、現代の中国人信者たちは、新たな決意と戦略を持って立ち上がっている。彼らの合言葉は「不可阻挡(止められない)」だ。政府の監視も、投獄の脅威も、彼らの情熱を止めることはできない。

眠れる巨人が目を覚まし、西へと向かうキャラバンが動き出したのだ。それは、歴史の最終幕を飾る壮大なリレーの始まりであった。(続く)

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■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 1・6%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。