2026年2月13日15時15分

世界的な聖書語学者の村岡崇光氏死去、88歳 ライデン大学名誉教授

村岡崇光
2017年に英国学士院からバーキット・メダルを授与された際の村岡崇光氏(写真:本人提供)

ヘブライ語やアラム語などを含むセム語族の世界的な研究者として知られる聖書語学者の村岡崇光(むらおか・たかみつ)氏が10日、死去した。88歳だった。

共通の同僚を持つ米改革派神学校のウィリアム・ロス准教授の追悼記事(英語)によると、88歳を迎えた誕生日の翌日に、眠るように静かに息を引き取った。昨年のクリスマスに脳卒中を起こしていたという。その数週間前には、60年連れ添った妻の桂子さんが先立っていた。

1938年広島市生まれ。東京教育大学(現筑波大学)英文科卒業、同大学院言語学科博士課程中退。64年ヘブライ大学に留学し博士号取得。その後、英国のマンチェスター大学(1970〜80)、オーストラリアのメルボルン大学(80〜91)、オランダのライデン大学(91〜2003)で、ヘブライ語とその他の関連語学を30年以上にわたって教えた。

ライデン大学退職後はオランダに居住しつつ、太平洋戦争で日本の帝国主義の被害を受けた国々の神学校や大学で、ヘブライ語やギリシャ語の講義を毎年1カ月以上、無償で行ってきた。

2014年、日本聖書協会の聖書事業功労賞受賞。17年、英国学士院が聖書学の分野で著しい貢献をした学者に贈るバーキット・メダルを、アジア出身者で初めて受章。ライデン大学名誉教授、ヘブライ語アカデミー名誉会員。

聖書語学、七十人訳聖書の分野で著書・論文多数。その多くは英語だが、訳書にジェームズ・ストーカーの『キリスト伝』『キリストの最期』『パウロ伝』や『聖書外典偽典』の一部、『タルムード入門(1)』『旧約聖書(14)ダニエル書 エズラ記 ネヘミア記』『精選 死海文書』などがあり、著書に『イエスは何語を話したか?』(共著)などがある。

専門書以外にも、訳書に『ネルと子供たちにキスを』『折られた花』、著書に『私のヴィア・ドロローサ』などがある。