2026年1月27日14時49分

核兵器禁止条約発効から5年、日米のカトリック教区が関わるパートナーシップが声明

核兵器禁止条約
米ニューヨークの国連本部で開催された核兵器禁止条約の第2回制定交渉会議。条約は会議最終日に賛成122、反対1、棄権1の賛成多数で採択された=2017年7月5日(写真:UN Photo / Manuel Elias)

核兵器を全面的に禁じる核兵器禁止条約の発効から5年となった22日、カトリックの諸団体でつくる「核兵器のない世界のためのパートナーシップ」(PWNW)は、核軍縮に向けた具体的な行動を求める声明を発表した。

声明は、条約発効5年を祝い批准拡大に期待を示す一方、核兵器保有国に対しては核拡散防止条約(NPT)に基づく軍縮義務を果たしていないと非難。世界の指導者に対し、「核軍縮に向けた測定可能な進展」を示すよう求めている。

1970年に発効したNPTは第6条で、核兵器保有国に対し核軍縮に向けた誠意ある交渉を行う義務を課している。PWNWは、核兵器保有国がこの義務を「一度も果たしていない」と非難。そうした状況の中、国連で122カ国・地域が賛成して採択された核兵器禁止条約は、「平和の光へ向けた大きな一歩」だとした。

条約の国際法的効力は批准国に限定されるが、それでもPWNWは、「その道義的力は、国家間の境界も地図上の線も認めません」と強調。「この条約の道義的力は地球規模で普遍的です」と述べている。

その上で、核兵器保有国がNPTに基づく軍縮義務を果たす上で、核兵器禁止条約が「道義的な圧力」となるように願い祈るとしている。

「80年も続く核の脅威に終止符を打つ時が来ています。核軍縮に向けた具体的な行動を強く促します。核兵器保有国がその目的に向けた具体的な進展を見せるべき時はとっくに過ぎています」

最後には、原爆投下から80年となった昨年8月に来日し、広島と長崎を訪れた米首都ワシントン大司教区のロバート・マケロイ枢機卿の言葉を引用。「私たちは核拡散と危険を冒す世界に生きることを拒みます。世界の核兵器が破壊されるまで、私たちは抵抗し、組織を整え、祈り、決して諦めません」と表明した。

PWNWは、日本の2つの被爆地にある広島教区と長崎大司教区、また核兵器の実験や製造などによる被害地にある米国のサンタフェ大司教区とシアトル大司教区の4つのカトリック教区が協力して、2023年に創設した。昨年6月までに、創設団体である4教区に加え、日本や米国、韓国の他の教区や修道会、学校など、計12のカトリック団体が賛同団体として加盟している。

声明は、広島教区の白浜満司教、長崎大司教区の中村倫明大司教、高見三明名誉大司教、サンタフェ大司教区のジョン・ウェスター大司教、シアトル大司教区のポール・エッチェン大司教の名義で出された。

核兵器禁止条約は17年7月、国連本部で開かれた交渉会議で、賛成122、反対1、棄権1で採択された。その後、各国・地域が批准を進め、20年10月に批准国・地域が50カ国・地域に到達。規定により、90日後の21年1月22日に発効した。バチカン(ローマ教皇庁)は、条約採択直後の17年9月に批准した最初の3カ国の1つ。