2026年1月24日09時56分

ワールドミッションレポート(1月24日):東南アジア SDカードに込められた真理と希望

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(1月24日):東南アジア SDカードに込められた真理と希望
ハノイ旧市街(写真:NKSTTSSHNVN)

多様な宗教と文化が混在する東南アジアでは、経済発展の裏側で、一部の国々では権威主義的な政府による宗教統制が依然として続いている。特にキリスト教に対する警戒感は根強く、宣教活動が厳しく制限されている「閉ざされた地域」も少なくない。しかし、壁が高ければ高いほど、現地の信者はより創造的な方法で、その隙間を縫って宣教している。

ある東南アジアの国で、キリスト教ラジオ放送局を運営していた一人の信徒の証しを紹介しよう。彼の放送局は、多くの人々に希望を届けるライフラインであったが、政府当局の検閲により、突如として電波を封鎖されてしまった。放送機材は沈黙し、福音を電波に乗せる道は絶たれたかに見えた。

しかし、神の御業はそこで終わらなかった。行き詰まりの中で彼が祈り求めたとき、神は全く新しい「道」を示されたのである。それは、指先に乗るほどの小さな「マイクロSDカード」であった。

彼は、放送できなくなった説教や聖書の朗読、賛美歌のデータを、大量のマイクロSDに保存し始めた。そして、それを携帯電話や携帯スピーカーに差し込み、人から人へと手渡しで広めて「地下ネットワーク」を構築した。もはや巨大なアンテナ塔は必要ない。目に見えない電波の代わりに、この小さなチップが、検問を潜り抜け、山を越え、未信者の家庭の中へと入り込んでいくのである。

当局は放送局を閉鎖することはできても、人々のポケットの中に隠されたマイクロチップまで没収することはできなかった。「神は予期せぬ方法で、ひょっこりと現れてくださるのです」。彼はそう証言する。

この新しい方法は、かえって以前よりも個人的で深い関わりを生み出した。人々は隠れてメッセージを聞き、その感動を隣人に伝え、密かに集まってマイクロSDの内容について語り合うようになったのだ。主を褒めよう! 教会を潰そうとした政府の圧力は、結果として「家の教会」の自発的な成長を促す触媒となったのである!

東南アジアの「閉ざされた国々」で、テクノロジーを用いて福音を伝える「デジタル宣教師」たちのために祈ろう。彼らの安全が守られ、小さなSDカードの一つ一つが、それを受け取る人々の魂に聖霊の火をともすように。そして、どのような障壁があろうとも、神の言葉をつなぎ止めておくことは、決してできない(Ⅱテモテ2:9)という真理が、この地で豊かな福音の実を結ぶように祈っていただきたい。

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。