
米国のドナルド・トランプ大統領は3日、米軍が同日未明にベネズエラで決定的な軍事作戦を実施したと発表した。作戦は、同国に対する数カ月にわたる戦略的圧力の結果として実施され、首都カラカスを空爆した上で、ニコラス・マドゥロ大統領と妻のシリア・フローレス氏を拘束した。
フロリダ州の私邸「マール・ア・ラーゴ」で記者会見を開いたトランプ氏は、「米国史上、最も輝かしい軍事作戦の一つ」と自賛した。
トランプ氏はこれに先立ち、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」(英語)を通じて、今回の攻撃の結果を直接発表していた。
「米国はベネズエラとその指導者であるニコラス・マドゥロ大統領に対する大規模な攻撃を成功させた。マドゥロ氏は妻と共に拘束され、国外に移送された」
これに対し、ベネズエラのデルシー・ロドリゲス副大統領は、米軍の攻撃に関する情報を確認した上で、侵略行為だと非難を表明した。
マドゥロ政権の突然の終焉(しゅうえん)は、深刻な人道的・社会的危機に耐えてきたこの国に、自由と安定をもたらすことになるのか。国際社会とベネズエラ国民は期待と不安を抱きながら、今後の展開を注視している。
ベネズエラ福音同盟の反応
ベネズエラの福音派指導者らは、この事態を警戒感と祈りをもって見守っている。
ベネズエラ福音同盟(CEV)は同日、声明(スペイン語)を発表。国の将来に不安を抱く人々に対し、神に信頼するよう求めるとともに、祈りと平和の促進に注力するよう呼びかけた。
「不安や恐怖を感じている全ての兄弟姉妹、そして同胞の皆さんに、私たちは祈りと連帯をささげます」「私たちは、諸国を統治し、永遠の目的に従って歴史を導く神の主権への信頼を改めて表明します。神の支配から逃れるものは何もなく、私たちは神に平安を見いだします」
CEVはその上で、全ての国民と信仰者に対し、恐怖や不安に支配されないよう求め、絶え間なく情報が流れるSNSから距離を置くことを呼びかけている。その上で、それらの時間を祈りや兄弟姉妹間の交わり、奉仕、家族の幸福を築くことのために用いるよう勧めている。
「私たちは、この国の平和と、正義、真実、そして全ての市民の尊厳を尊重する真の永続的な変革を祈ります。私たちは教会として、福音を宣(の)べ伝え、神の民を築き上げ、共通善を追求することに尽力し続けます。主が私たちに知恵、節制、そして暗闇の中で光となる勇気を与えてくださいますように」
CEV総主事のホセ・ピニェロ牧師はカラカスで、キリスト教メディア「ディアリオ・クリスティアーノ・インターナショナル」(クリスチャン・デイリー・インターナショナルのスペイン語版)の取材に応じ、次のように述べた。
「未明に、まだ寝ている間に大きな爆発音があり、驚いて目が覚めました。電気もWiーFiもありません。もちろん、未明の時間帯にこんなことが起きるとショックを受けます。既に最初のステップは取られたのだと思いますが、詳細や個々の事柄については確認が必要な状況です」
米国に亡命中のベネズエラのキリスト教指導者の反応
フロリダ州で亡命生活を送っているベネズエラのキリスト教指導者、アリストテレス・ロペス牧師(ベネズエラの「マーチ・フォー・ジーザス」の創始者)は、マドゥロ氏の拘束と米国への移送は、神の介入であり、長きにわたり苦しんできたベネズエラに対する正義の実現だと述べた。
ロペス牧師は、ディアリオ・クリスティアーノ・インターナショナルに対し、計り知れない感情的重圧とここ数カ月間の不確実性にもかかわらず、神は「ベネズエラを決して忘れていない」ことを示したと語った。
また、今回の出来事は、ベネズエラへの軍事行動を何度も示唆していたトランプ政権が、それを実行したというだけでなく、キューバやニカラグアといった中米の他国の政権にも地政学的な「激変」をもたらす歴史的な節目だと指摘した。
一方、ロペス牧師は、戦いはまだ終わっていないと強調し、「残りの者たち」に対し、この勝利を確固たるものにするために祈り続けるよう緊急に呼びかけた。また、名声や金銭のためにマドゥロ政権と結託し、信仰を巧みに利用し、「長子の権利を煮物と引き換えに売り渡した」キリスト教指導者らがいたとして、厳しく叱責。そうした指導者らの退陣を厳しい口調で求めた。そうすれば、教会が誠実さを失った指導者らの束縛から解放され、ベネズエラの霊的再建に向けて前進できると語った。
同じくカラカスで取材に応じたH2D財団のホセ・リベロ代表は、「現状はさらに複雑です。この状況を乗り越えるには天からの知恵が必要です。神を信頼します」と述べ、ベネズエラのために祈りを呼びかけた。
コロンビア福音同盟の反応
隣国のコロンビア福音同盟(CEDECOL)も同日、声明(スペイン語)を発表した。声明では、国内の全ての教会、牧師、信者らに対し、ベネズエラのために祈るよう緊急の呼びかけを行った。
「私たちは教会として、人間の事情を超えて、神が諸国の主権者であり、神の導きによってのみ、ベネズエラ国民の自由、正義、和解、そして真の平和が実現できると信じています」。CEDECOLはそう述べ、具体的に以下の4つの項目について祈るよう求めている。
- 神がその知恵と真実をもってベネズエラを治め、この重要な時期に下されるあらゆる決断を導いてくださるように。
- 自由、回復、希望への道が、ベネズエラの国全体に開かれるように。
- ベネズエラの家族が守られ、慰められ、力づけられるように。
- ベネズエラの教会が守られ、不確実性のただ中において、預言的な声、霊的な避難所、光であり続けるように。