
いのちのことば社(宗教法人いのちのことば宣教団体)は、元職員による「多額の不適切な会計処理の報告とお詫(わ)び」を関係諸教会・諸団体宛てに郵送した。
同社が運営する「クリスチャン新聞」が30日に伝えた。郵送は26日付で、来年1月6日には「報告とお詫び」の全文を同社のホームページに掲載する予定だという。
同紙に掲載された「報告とお詫び」によると、元職員は業務上の立場を利用し、販売分野において現金で直接預かった売上金と献金の一部を、⾧年不適切に会計処理していた。不整合額は、現在調査の途上ではあるものの、数千万円に上るとみられるという。
一方、調査の過程で、元職員からは疑義について明確な答えが得られず、その後、弁明の機会を設けても誠意ある対応がなかったという。そのため、元職員に対しては現在、刑事・民事両面での法的措置を実施すべく、関係当局と連携して対応を行っているという。
並行して、再発防止のために社内ルールを見直し、管理体制を強化するとともに、社内教育およびコンプライアンス研修を実施するとしている。
再発防止のための具体的な取り組みとしては、①現金を直接取り扱う部門の管理体制を複数役員体制へ移行、②売上・献金の取り扱いと管理・報告のフローを複数担当者に分担し、責任者が厳正に管理、③棚卸し・在庫管理の徹底――を行う。
また、これらの再発防止策の道筋が見えた時点で、岩本信一社長は責任を取り辞任するとしている。
「報告とお詫び」では、「本件により多くの教会、諸団体、またご支援くださっているクリスチャンの方々の信頼を裏切ることとなってしまいましたことを、心からお詫び申し上げます」と謝罪。「何よりも、弊社に文書伝道の使命を託してくださった主にお応えする責任を果たせず、文書伝道に用いるべき資金の管理に不備がありましたことを重く受けとめております」としている。