東アフリカに位置するウガンダは、豊かな緑と巨大なビクトリア湖を抱え、「アフリカの真珠」とたたえられる。かつての凄惨な内戦やエイズのまん延、そしてアミン独裁政権による暗黒時代を乗り越え、現在は驚異的な人口増加と経済成長のただ中にある。国民の平均年齢が極めて若く、未来へのエネルギーに満ちあふれた国だ。
キリスト教人口は約85%に達し、一見すると非常に福音化された国に見える。大統領自らが公の場で神への献身を誓い、国歌には「おお、神よ、ウガンダを祝福したまえ」という言葉がある。しかし、この高い数字の裏側には、深刻な霊的課題が潜んでいる。多くの人々にとって、キリスト教は生活の一部として定着しているものの、その信仰が必ずしも内面の変革に結びついていない「表面的なキリスト教化」という大きな壁に直面している。
特に近年、教会をむしばんでいるのが、物質的な豊かさを強調する「繁栄の神学」のまん延だ。貧困に苦しむ人々に対し、献金をすれば祝福され、金持ちになれると説く指導者が後を絶たず、聖書の真理から逸脱した教えが、多くの信者を惑わしている。また、土着の宗教(精霊信仰)や呪術がキリスト教と混ざり合う「混合宗教」的な傾向も根深く、正しい弟子訓練と聖書教育が急務となっている。
一方、ウガンダ北部の内戦の傷跡も依然として残っている。かつて「神の抵抗軍」(LRA)によって誘拐され、少年兵や性奴隷として過酷な経験をした人々は、今も深いトラウマの中にいる。彼らに対する心理的・霊的なケア、そして加害者と被害者の間の「和解」のプロセスにおいて教会の果たすべき役割は極めて大きい。
ウガンダの教会が、数の大きさよりも、質的な成熟へと向かい、聖書的な指導者を育成するように祈ろう。また急増する若者たちが、迷信や呪術から解放され、キリストとの人格的な出会いを体験できるために、社会のあらゆる層で働くキリスト者が福音を宣べ伝え、その使命を全うできるように祈っていただきたい。
■ ウガンダの宗教人口
プロテスタント 9・9%
カトリック 39・2%
英国教会 36・1%
イスラム 11・5%
土着宗教 2・6%
正教会関係 0・1%
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