2025年11月8日11時23分

ワールドミッションレポート(11月8日):ブラジル 世界最大のカトリック国で起きている劇的な地殻変動(1)

執筆者 : 石野博

リオデジャネイロの丘の上に立つ、高さ30メートルの「コルコバードのキリスト像」。1931年に完成したこの巨大な像は、ブラジルの豊かなカトリックの遺産を象徴するものとして、世界中から観光客を集めてきた。首都ブラジリアには、美しい青色のブラジリア大聖堂がそびえ立つ。これらの歴史的建造物は、長い間ブラジルとカトリックの結びつきを物語ってきた。しかし今、この国で前例のない霊的変革が起きている。

ブラジルの社会学者ホセ・アルヴェス博士は言う。「私たちは、ブラジルにおける歴史的な宗教的変革期の先端に立っています」。1950年、ブラジル人の93%がカトリック信徒だった。カトリック教会の趨勢は、10年ごとに約1%の信徒を失っていたが、そのペースは緩やかなものだった。しかし1991年以降、状況は劇的に変化した。カトリック教会は毎年1%の割合で信徒を失い始めたのだ。結果として、急激な減少が起こった。

一方、かつてこの国で少数派だった福音派は、今や前例のないレベルで成長している。調査によれば、かつて世界最大のカトリック国だったブラジルは、2030年までに、福音派が圧倒的に多数を占める国になると予測されている。

この成長の兆候は、至る所で見られる。毎週何千人もの礼拝者で満たされるメガチャーチが、ブラジルの風景に点在しているのだ。サンパウロのラゴイーニャ教会を牧会するアンドレ・フェルナンデス牧師は語る。「私たちは約束の成就の中を生きています。何十年もの間、ブラジルがリバイバルの波を経験し、それが世界中に輸出されると聞いてきました。そして私は、今こそがまさにその時だと信じています」

アマゾン地域では、ルリバル・ペレイラ牧師のフォースクエア教会が、約600のセルグループに1万人以上のメンバーを抱えている。彼は言う。「私たちの成長の基盤は、これらのセルです。本当のリバイバルは教会の壁の外で起こっています。毎日、人々は家庭で小グループに集まっています。これが聖書的なモデルなのです」

首都ブラジリアでは、2003年にわずか25人で始まったJ・B・カルバーリョ牧師のコミュニティ・オブ・ネイションズ教会が、今やブラジリアだけで約1万2千人、フォルタレザにはさらに1万5千人を擁している。「私たちの教会はブラジル全土に広がっています」と彼は語る。

リオデジャネイロでは、シラス・マラファイア牧師のアッセンブリー・オブ・ゴッド教会が、10万人以上のメンバーを持つ、ブラジル最大かつ最も影響力のあるペンテコステ派教会の一つとなっている。彼は宣言する。「今後7年ほどで、私たちはこの国の多数派になるでしょう。今日、私たちは人口の約35%を占めており、神の国はブラジル社会のあらゆる分野に影響を与えているのです」(続く)

■ ブラジルの宗教人口
カトリック 56・8%
プロテスタント 26・9%
土着の宗教 5・4%
ユダヤ教 0・06%
イスラム 0・02%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。