
世界の子どもを支援するキリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(WVJ)が、例年この時期に開催しているクリスマスキャンペーン「希望を、贈ろう。」を始めた。
11月1日から12月25日までの約2カ月にわたり、メインの支援プログラムである「チャイルド・スポンサーシップ」への参加を呼びかけるほか、水・食糧支援のための寄付も募る。また、今年はチャリティーコンサートも開催する計画で、WVJの親善大使で俳優の酒井美紀さんが、スペシャルゲストとして登場する予定。
チャイルド・スポンサーシップへの参加呼びかけは、例年と同じく「1000GIRLSプロジェクト」として、1000人の少女を支援するスポンサーを集めることを目標にしている。
プロジェクトの特設ページは、「世界には『女の子』であるという理由だけで、未来を閉ざされてしまう子どもたちがいます」として、少女たちが直面する厳しい状況を分かりやすい数字で示している。それによると、世界では毎分22人の少女が児童婚を強いられ、1億2900万人の少女が学校に通えていない。また、世界の女性の約3人に1人が、身体的・性的暴力を経験しており、性的搾取を目的とした人身取引の被害者の9割は女性と少女だという。
チャイルド・スポンサーシップは、1日当たり150円(月額4500円)を継続的に支援するプログラム。スポンサーが支援地域の子どもを1対1で支える仕組みで、年に1度成長報告書が届くほか、子どもと手紙をやりとりしたり、現地を訪問して支援している子どもに直接会ったりすることもできる。支援金は子どもやその家族に直接手渡すのではなく、水衛生や保健・栄養、教育など、その地域全体の課題解決のために用い、子どもを取り巻く環境の根本的な改善を目指す。
チャイルド・スポンサーシップで支援を受けるタンザニアのサラちゃん(12)は、貧しい家庭の事情から早婚を強いられる運命にあった。しかし、支援により結婚せずに学校に通えることになった。今ではクラストップの成績を収め、教師になることを夢見ている。「勉強するたびに、自分の未来が少しずつ開けていくのを感じます」と話しているという。
期間中はこの他、「クリスマス募金」として、水・食糧支援のための寄付も募る。WVJによると、世界には飢餓に直面する人が7億5700万人に及び、世界人口の11人に1人に相当する。
長年の政情不安と経済危機、自然災害が重なり、飢餓が深刻化しているコンゴ民主共和国(旧ザイール)に住むホーテンスちゃん(2)は、戦闘から逃れる中、十分な食事が取れず衰弱し、一時歩くこともできない状態だった。しかし、WVJが支援する医療機関での治療と栄養改善により、3カ月後には友達と遊べるほどにまで回復したという。栄養不良に直面する5歳未満児は世界で1億9千万人に上り、WVJは「世界には明日の食事がない子どもがいます」として協力を求めている。
チャリティーコンサート「The Light of the World〜世界の子どもたちに希望を〜」は、12月6日(土)午後2時~同3時半(同1時半開場)に、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区百人町1ー17ー8)で開催する。
世界で活躍するマリンバ奏者、塩浜智子・玲子姉妹によるクリスマスソングメドレー、東京芸術大学音楽学部附属音楽高校のアンサンブルによるクラシック曲の演奏、WVJの支援を受ける子どもたちからのメッセージ、支援現場からの報告など、多彩なプログラムを予定している。入場は無料で、詳細・申し込みに関する情報は、近日中にWVJのホームページで発表される。
WVJは、国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動を展開しているキリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン」の日本支部。WVJは認定NPO法人であるため、寄付金は寄付金控除の対象となる。
クリスマスキャンペーン「希望を、贈ろう。」の詳細は特設ページを。