2025年10月6日21時02分

ワールドミッションレポート(10月6日):米領サモアのために祈ろう

執筆者 : 石野博

米領サモアは、南太平洋に位置する群島で、サモア諸島の東側にある。首都パゴパゴを中心に、人口は約5万6千人だ。1900年以来、米国の未編入準州として位置づけられており、市民は米国籍を持つが、大統領選挙などの投票権はない。歴史的には、ポリネシア文化を基盤としつつ、米国の影響を強く受けて発展してきた地域である。

経済は主に、マグロ漁業と缶詰加工業に依存しているが、地理的な孤立や度重なるハリケーンの被害により、発展は制限されてきた。それでも、米本土に移住したサモア人からの送金が経済を支えており、周辺のサモアよりも高い生活水準を享受している。しかしその一方で、物質主義の影響も大きい。

プロテスタントが多数派を占め、特にアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団を中心とした福音派の働きが急速に成長してきた。ユース・ウィズ・ア・ミッション(YWAM)の拠点もあり、若者や地域社会に霊的な影響を与えていることは感謝なことだ。

しかし同時に、モルモン教をはじめとする異端派団体の著しい増加が見られる。これは、長年主流教会の中に根付いてきた形骸化や、名ばかりの信仰の弱さを浮き彫りにしている。カトリックも一定の存在感を保っているが、霊的刷新の必要性は全体として大きい。

今日、米領サモアの教会では、豊かな経済状況と物質主義の誘惑の中にあって、人々が真にイエス・キリストに従う人生を選び取る必要がある。米本土や海外に住む離散のサモア人が、自らの文化的ルーツと信仰を結びつけ、キリストにある使命を見いだすことが重要だ。

地域の福音派諸教会の成長は励ましであるが、主流派教会の衰退の中で、新しい目覚めと改革の波が起こされるように祈らなければならない。さらに、異端派の教えに迷わされる人々が多くいる中、聖霊による真理への導きが強く働き、聖書に根ざした健全な信仰が確立されていく必要がある。

米領サモアの教会が、物質主義を退け、心からキリストに従うようになるために祈ろう。異端に惑わされず、聖霊の働きによって主流派教会に霊的覚醒と改革が与えられるように祈っていただきたい。

■ 米領サモアの宗教人口
プロテスタント 56・9%
単立 4・4%
カトリック 19・0%,
バハイ 1・0%
異端派 24・8%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。