2025年10月6日14時26分

米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

米メガチャーチの主任牧師が辞任、過去に10代少女に性的虐待 被害者が告発
ロバート・モリス牧師(画像:ロバート・モリス・ミニストリーの動画より)

1980年代に当時12歳だった少女に性的虐待を行ったとして起訴されていたゲートウェー教会(米テキサス州サウスレイク)の創設者で前主任牧師のロバート・モリス氏(64)は2日、罪状認否で自らの罪を認めた。

罪を認める代わりに減刑される司法取引で、モリス氏はこれにより、10年の執行猶予付き拘禁刑が言い渡され、このうち6カ月のみ刑務所に収監される見通し。また、賠償金27万ドル(約4千万円)の支払いと性犯罪者登録を義務付けられる。

ゲートウェー教会は、毎週の礼拝出席者が2万5千人を超える全米屈指のメガチャーチ。しかし、モリス氏の事件が明るみに出た後は、出席者が2~3割程度減り、1万8千人余りとなっている。

モリス氏の代理人弁護士であるビル・マテジャ氏は、オクラホマ州オーセージ郡裁判所で行われた罪状認否を伴う審理の後、次のように述べた。

「モリス氏は、80年代半ばの自身の犯罪に対する責任を率直に受け入れ、罪を認めました。彼は、自らの行為に対する責任を受け入れることを望んだからこそ、罪を認めたのです。彼は、神の前においては、はるか以前に自らの責任を認めており、ゲートウェー教会はその受容の現れだと信じていますが、罪を認める答弁によって、法の前においても進んで責任を受け入れたのです」

「彼はまた、この件に決着をつけるために罪を認めました。自身と家族のためにこの法的問題を迅速に終結させたかっただけでなく、(被害者の)クレミシャーさんとその家族のためにも迅速に終結させたのです。彼は、彼の有罪答弁と拘禁刑、それに保護観察が、クレミシャーさんとその家族が必要とする決着をもたらすことを心から願っています」

モリス氏は3月、当時12歳だったシンディ・クレミシャーさん(55)に性的虐待を行ったとして、児童に対するわいせつ行為など5つの罪で起訴された。クレミシャーさんは、当時22歳だったモリス氏が、82年のクリスマスに自身に対する性的虐待を初めて行い、虐待はその後4年半にわたり続いたと告発していた。

モリス氏が2000年に設立したゲートウェー教会は昨年11月、4カ月に及ぶ調査の結果、モリス氏とクレミシャーさんの関係を何らかの形で知っていたにもかかわらず、「さらに調べることをしなかった」として、長老4人を解任した。このうち一部の長老は、クレミシャーさんが被害に遭った当時はまだ未成年であったことを、事件が公になる前から知っていたとされる。

クレミシャーさんは6月、父親と共にモリス氏やゲートウェー教会の元長老らを相手取り、100万ドル(約1億5千万円)余りの損害賠償を求める訴訟を起こした。訴状では、モリス氏とゲートウェー教会の指導者らが、彼女が受けた虐待を「若い女性」との合意に基づく「関係」と誤って表現し、未成年に対する性的暴行として扱わなかったと主張している。