2025年10月3日18時04分

ワールドミッションレポート(10月3日):アルバニア 見捨てられた少女が知った神の愛

執筆者 : 石野博

ミルリンダ(仮名)は、見捨てられることの痛みを知っている。同時に彼女は、そのような痛みを持つ者への神の愛がどれほど深いものかも知っている。生後わずか8カ月の時、両親が離婚し、メルリンダの母親は、彼女を叔父の家族のもとに残して去っていった。

「叔父が私のためにしてくれた全ての犠牲に、とても感謝しています」と彼女は言う。「叔父は私が必要とする全てのものを与えてくれました。叔父は私たちの教会の牧師で、イエス様についても教えてくれたのです」

ミルリンダが9歳になったとき、母親が突然彼女の人生に戻ってきた。「母は私を連れて一緒に暮らすと言い張ったのです」とミルリンダは振り返る。「私はとても悲しくて泣き出しました。実の父親以上に愛情を注いでくれた叔父と離れたくなかったのです。叔父は、私に神の愛のような無償の愛を注ぎ、本当の自分の子どもとして今まで育ててくれました。私は母と暮らすことはできませんでした」

ついに諦めた母親は、ミルリンダを叔父の家に戻した。ミルリンダは以前と同じように、再び信仰の道を歩み続けた。現在11歳になった彼女は、教会の子ども聖書クラスのメンバーだ。「イエス様の愛を知ることができて、とても幸せです」とミルリンダは語る。

「私は、毎日聖書を読みます。神様が全ての子どもを無条件に愛してくださるなんて、本当に驚くべきことです。私は友達を教会に誘っています。友達が来てくれると、とてもうれしいです。この地上の悪いことから私たちを守ることができるのは、イエス様の愛だけです」

彼女の好きな聖書の箇所は、マタイ19章14節だ。「子どもたちを来させなさい。わたしのところに来るのを邪魔してはいけません。天の御国はこのような者たちのものなのです」とイエスが語られた言葉だ。

幼い頃に親から見捨てられるという深い傷を負いながらも、ミルリンダは叔父の愛と教会の交わりの中で、天の父なる神の愛に出会った。子どもたちが神の愛に根差し、友人たちに福音を伝え、多くの子どもたちがキリストのもとに導かれるように祈っていただきたい。

■ アルバニアの宗教人口
イスラム 62・4%
プロテスタント 0・7%
カトリック 13・1%
無神論者 7・0%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。