アンドラは、フランスとスペインに挟まれたピレネー山脈の小国で、面積は東京23区の半分ほどしかなく、人口はわずか8万人ほどである。中世以来、フランス大統領とスペイン・ウルヘル司教が共同元首を務めるという特異な政治体制を持ちながらも、1993年に憲法を制定し、独自の司法や外交を持つようになった。
今日では観光と免税を基盤とする経済で栄えており、年間1千万人以上の観光客が訪れる。GDPの約8割を観光が占めており、1人当たりの所得も高く、裕福な生活を享受している。
かつては密輸の拠点であったアンドラも、いまや裕福な旅行者や金融関係者が集まり、免税や投資目的で訪れる人々で賑わっている。しかし、その繁栄の背後で、人々の心は空しさを抱えている。物質的な豊かさが、決して魂を満たさないのだ。
人口の約9割はカトリックに属するとされるが、信仰は形骸化しており、多くの人々は、神父よりも霊媒師や占星術師の言葉を頼りにしている。カトリック教会は防戦的な立場に追い込まれ、霊的活力を失いつつある。
聖書的なキリスト教信仰はわずかながら存在し、福音派の教会も少数で成長は緩やかだ。しかし、海外から移り住んできた献身的な信者や、数は少ないながらも地元の熱心なアンドラ人キリスト者が信仰を守り続けていることは大きな恵みだ。彼らが情熱と識別力をもって信仰を証しし、福音を分かち合うとき、物質主義とオカルトに縛られた人々の心に光が届く可能性がある。
表面的には豊かで安定しているように見えるアンドラで、霊的な飢え渇きが覚醒され、人々が真の命と希望であるイエス・キリストに立ち帰るように、またわずかな教会と信徒たちが力強く守られ、その証しが用いられるように祈ろう。物質主義の空しさが明らかにされ、聖霊によってこの地に新しい霊的な命が注がれるように祈っていただきたい。
■ アンドラの宗教人口
カトリック 89・1%
プロテスタント諸派 0・3%
無宗教 5・9%
イスラム 2・3%
ヒンズー 0・3%
ユダヤ教 0・3%
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