
中国東部で、教会活動に対する大規模な取り締まりがあり、キリスト教徒70人以上が拘束された。国際キリスト教迫害監視団体「オープンドアーズ」が24日に明らかにした。
オープンドアーズ(英語)によると、牧師や信徒、求道者らが集会中に拘束され、中には職場や自宅から連行された人もいた。拘束された人々は取り調べで、教派的な背景や財政状況などについて尋問を受け、20人以上が数千元から数万元(数万円から数十万円)の罰金を科された。
この大規模な取り締まりは2カ月前に始まり、最大で警官400人と車両200台が動員されたという。取り締まりの対象は主に、聖書の学び会や、政府非公認のいわゆる「家の教会」に関連する集会だった。
オープンドアーズの現地の協力者は次のように語った。
「最近の取り締まりで、私たちの教会は完全に活動を停止しました。家の教会運動内の80以上のグループが集会を中止し、当初14あった教会は、わずか数教会しか残っていません」
なぜこれほどまでに大規模な取り締まりが行われたか理由は不明だとしつつ、この協力者は次のように続けた。
「教会が異端として通報されたか、内部の密告者によって裏切られた可能性があります。あるいは外国とのつながりを疑われているのかもしれませんが、これらは全て推測に過ぎません」
警察は、同じ地域の別のキリスト教のグループにも尋問を行い、警告をしたという。
オープンドアーズの専門家は、こうした動きは国家政策を反映したものだと話す。
「こうした弾圧は目新しいものではなく、中国共産党が社会を統制し、従わせようとする広範な取り組みの一環です。宗教、特にキリスト教は、そうした取り組みにおける重要な標的と見なされています」
中国政府は、長年にわたり教会に対する規制強化を進めてきた。また、新型コロナウイルスのパンデミック以降は、多くの家の教会が活動を再開できず、代わりに小規模な集会に分裂することを余儀なくされている。
オープンドアーズによると、中国政府が公認する三自愛国教会(プロテスタント)や中国天主教愛国会(カトリック)に属する教会でさえ監視下に置かれ、共産主義の価値観とイデオロギーに従うよう圧力を受けている。
また、近年は「詐欺」「違法事業の運営」「違法集会の開催」などを理由に、キリスト教徒が拘束されるケースが頻繁に見られるという。