アンゴラは、40年に及ぶほとんど途切れることのない内戦によって荒廃し、今もなお回復への長い道のりを歩んでいる。最も深く傷を負ったのは、罪なき市民たちであり、首都ルアンダでは、石油マネーによる急激な物価高騰が進む一方で、地方の農村は、極度の貧困に苦しんでいる。
現在、推定1500万人が極度の貧困の中で暮らしており、都市部と農村部の格差は広がるばかりだ。こうした状況にあって、教会が単に貧困と闘うだけでなく、長年の暴力と破壊によって生じた心の傷に寄り添い、癒やしの働きを担っていることは大きな意味を持っている。
驚くべきことに、この苦難の時代のただ中でさえ、聖書的キリスト教は成長を続けてきた。初代大統領は熱心なマルクス主義者で、「20年以内にキリスト教を根絶する」と公言したが、その試みは完全に失敗に終わった。むしろ、1990年から2010年の20年間で、福音派の信徒数は4倍に膨れ上がったのだ。そして現在も、成長の歩みは止まることがないのだ。一方、過去の紛争による心の傷や民族間の対立は根深く残されており、教会には、赦(ゆる)しと和解の働きが強く求められている。
教会内部の事情に目をやると、訓練を受けた牧師を持つ教会はごくわずかで、多くの群れは十分な御言葉の養いを受けられていない。聖書知識の不足や誤った教え、さらには呪術や伝統的な精霊信仰が信徒たちの生活を汚染しており、教会そのものにも深刻な影響を及ぼしている。
また、国外から資金援助を受けるイスラム教が、人々の求める単純な答えを掲げて、急速に勢力を広げつつある。これがアンゴラ社会に新たな挑戦を投げかけているのだ。こうした中で、キリスト者が一致を保ち、聖なる生活を実践し、聖書に根ざした信仰を守り抜くことが切に求められているのである。
戦争の傷跡を抱えたアンゴラの人々が、真の癒やしを経験し、教会が赦しと和解の証人として歩むことができるよう祈ろう。また、指導者の養成と聖書的信仰が根づき、アンゴラの教会が分裂や誤った教えを乗り越え、聖霊の一致をもって福音を宣べ伝える共同体へと成長するように祈っていただきたい。
■ アンゴラの宗教人口
プロテスタント 28・1%
カトリック 60・4%
イスラム 1・1%
土着宗教 4・0%
無宗教 0・8%
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