2025年9月24日11時39分

ワールドミッションレポート(9月24日):アフガニスタン アイマク族に届く希望のノック

執筆者 : 石野博

アフガニスタン中西部の高地で暮らすアイマク族は、約50万人を数える遊牧・半遊牧の民族で、長年ほとんど福音の証人を持たない地域に住んでいる。ザイはそんなアイマク族の一人だ。

ある日、キリストの奉仕者が福音書の一節を開き、ヨハネ1章12節を一緒に読んだとき、ザイは目を涙で潤ませてこう言った。「この本を読むと、鳥肌が立つことがあるんです!」

彼は悔い改めて人生を明け渡すようにと神が呼びかけているのを感じていたが、それに伴う代償を真剣に考えていた。また、自分が本当にしっかり福音を理解しているのかという疑念もあり、心の中には葛藤があった。夜になると神の存在をあまりにも強く感じ、恐ろしくなることさえあった。ところが彼は、自分が福音を十分に理解できているかどうか、不安を抱えたままだったのだ。

キリストにある友は、黙示録3章20節を開き、イエスがザイとの個人的な関係を求めておられ、愛をもってザイの心の扉をノックしておられることを示した。ザイは深く心を動かされ、「私は何をしたらいいのでしょうか」と尋ねると、彼はローマ書から、人間の罪の現実とキリストの恵みを説明した。

ザイは考え込み、「今夜、少し考えてもいいですか」と尋ねた。その夜、ザイは夢を通して、確かに神が自分を呼んでおられると知り、目覚めると、ついに人生をイエスに明け渡したのだ。後日、彼は「もしあの時、決断するのを遅らせ、もたもたしていたら、イエスがノックをやめてどこかに行ってしまうのではないかと、非常な恐れが、夢の中で私を襲ったのです」と告白した。

アイマク族は独自の言語をほぼ失い、ダリー語やパシュトゥー語を用いて生活している。彼らの多くは山岳地帯の貧しい村に住み、教育や医療、基本的なインフラにも恵まれていない。中央政府の支配が及びにくい地域では、タリバンや部族間抗争の影響を強く受け、外部からの支援が届きにくい。

こうした中で、移動のために都市部や他国へ出稼ぎに行く若者たちが、異文化の中で福音に出会うことが増えているという。長年、宣教師たちはアイマクの地に良い知らせが広がることを祈り求めてきたが、彼らの住む地域には今なお、教会も宣教拠点もほとんど存在しない。

どうか、アイマク族の地に福音が届き、彼らが主を真の救い主として知り、希望を見いだすことができるように祈ろう。また、都市部や外国で働く若いアイマクの男性たちが、旅先で福音に出会い、自分の民族に主イエスを証しする者として遣わされるように祈っていただきたい。

■ アフガニスタンの宗教人口
イスラム 99・85%
クリスチャン 0・05%
ヒンズー 0・01%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。