2025年9月18日09時40分

ワールドミッションレポート(9月18日):パプアニューギニア イースターは1日じゃない、1カ月続くリバイバルだ

執筆者 : 石野博

南太平洋の島国パプアニューギニアでは、イースターは1日だけの祝祭ではない。パームサンデーに始まり、1カ月にわたって続く聖なる記念の祝典なのだ。

ジム・ヨスト夫妻が導く教会では、熱帯雨林に囲まれた礼拝場に向かう人々が皆、手にシュロの枝を携えてやって来る。「シュロの木は至る所にありますから、枝を切って持参するのは、決して難しいことではありません」とジムは語る。

礼拝場所の周りには、ジャングルの巨木を切り出して作られた3本の巨大な十字架が立ち、イースターの1カ月間、イエスが彼らのために支払ってくださった尊い代価を覚え続けるのだ。聖金曜日には1200人の人々が、血で染まった衣とむち、くぎ、いばらの冠が置かれた墓標の周りに集まった。

一人一人が前に出て罪を告白し、イエスの犠牲に感謝しながら墓の上に花びらを置いていく。「深い感動の時でした」とジムは振り返る。「私たちは誰も急かしません。全員がイエスへの思いと心を注ぎ出す時間を十分に持つのです」

リーダーの一人フランスが、イエスに人生をささげる準備のできた人は前に出るようにと招いた。20人の若者が応じ、他の人々が祈るために、彼らの周りに集まった。

復活の日曜日には、早朝3時から若者たちがたいまつをともして街を行進し、イエスへの賛美を歌う。夜明けとともに戻ってきた彼らは、日の出の礼拝でこう宣言する。「墓は空だ! イエスは生きておられる!」その日、さらに多くの若者がイエスに人生をささげたのだった。

祝祭は証しと踊りで続き、チームが前に出て喜び宣言した。「イエスが生きておられるので、私たちにも命があるのです!」

このようなリバイバルは、パプアニューギニアの豊かな部族文化と深く結び付いている。かつては祖霊信仰や部族間抗争に苦しんだ地域でも、福音が入り、共同体全体が癒やされ、希望を持つようになった。復活祭は単なる行事ではなく、死が命に変わる現実を共同体全体で経験する時なのだ。

ジムは「イースターの興奮を日常に持ち込み、死のある場所に命を運ぶ者になろう」と呼びかける。パプアニューギニアの教会は、世界のキリスト者に「復活の喜びを日々の歩みに」という挑戦を投げかけている。今、この地で起きているような霊的覚醒が、世界中の教会にも広がり、キリストの命が新たな命を生むよう祈っていただきたい。

■ パプアニューギニアの宗教人口
プロテスタント 69・4%
カトリック 27・0%
その他のキリスト教 2・8%
土着宗教 3・3%
その他 0・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。