中米グアテマラという国名を聞くと、美しいコーヒー農園や色鮮やかな先住民文化を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、その裏側には子どもへの性的虐待という深刻な現実がある。毎日平均17件の児童虐待が報告されているが、実際の件数はその数倍に上り、加害者の10人中7人は身近な家族だとされる。
この暗闇の中で、宣教団体AMGインターナショナルが半世紀にわたり続けてきた働きが光を放っている。学校建設や医療支援など地域社会に寄り添ってきたAMGは、過去10年間、インターナショナル・ジャスティス・ミッション(IJM)と協力し、虐待された子どもたちの救出、加害者の起訴、キリスト中心のカウンセリングを提供する児童保護施設を開設した。法的支援を通して加害者を法の裁きに服させ、児童虐待を迅速に扱い、再被害を防ぐ法律も政府と共に制定。これは他国でも模範とされる画期的な変革だ。
最近では、性的虐待の疑いで農場から160人もの未成年が救出される事件もあり、社会全体での取り組みが急務であることを示している。
10歳の少女カミーユの物語は、AMGの働きの価値を象徴する。祖父からの虐待で笑顔を失っていた彼女はAMGのプログラムを通じて、法的保護と霊的ケア、そして愛に包まれる環境を受け、再び未来への夢を抱けるようになった。今では「自分と同じ境遇の女の子を助けたい」と語り、一人の被害者が支援者へと変わる希望の連鎖が広がっている。
AMGの活動の根底には、単なる人道支援を超えたキリストの愛がある。全ての子どもたちに「あなたは愛され、価値ある存在で、創造主の美しい傑作です」と伝え続けることで、彼らのアイデンティティーをキリストに根ざしたものにしている。福音を中心に据えるこの働きは、感情的な癒やしを超え、尊厳と希望を回復する霊的に動機づけられた変革の事業である。
この勇敢な働きに携わる人々のために祈ろう。希望と正義をもたらすこの尊い使命が、グアテマラの子どもたちにキリストにある未来を示し、希望の連鎖がさらに広がっていくように祈っていただきたい。
■ グアテマラの宗教人口
カトリック 53・1%
プロテスタント諸派 41・3%
無宗教 3・5%
土着の宗教 0・3%
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