
米ミネソタ州ミネアポリスのカトリック教会で27日、銃乱射事件が発生した。当時は、教会付属の学校に通う子どもたちが参加するミサが行われており、8歳と10歳の子ども2人が死亡。6~15歳の子ども14人を含む17人が負傷した。
事件が発生したのは、受胎告知カトリック教会。警察は、ロビン・ウェストマン容疑者(23)を銃撃犯と特定。ウェストマン容疑者は前科がなく、単独犯とみられており、現場で自殺した。
AP通信(英語)によると、ウェストマン容疑者はライフル、ショットガン、拳銃で武装し、教会の外から窓越しに、ミサのため着席していた子どもたちに向けて発砲した。
ウェストマン容疑者のものとみられるユーチューブのチャンネルには、現在は削除済みの事件に関連する動画が少なくとも2つ投稿されていた。約10分の動画では、武器や弾丸を見せ、それらには「ドナルド・トランプを殺せ」や「お前の神はどこにいる?」といった言葉が書かれていた。約20分のもう一つの動画では、教会の配置図のようなものを示し、2つの窓を指差した後、長いナイフで刺すなどしていたという。
負傷者17人のうち、大人3人は教会に通う80代の信者。当初は、7人が重体とみられると伝えられていたが、その後、警察は17人全員が生存する見込みと発表している。
米CNN(日本語版)によると、ウェストマン容疑者は教会の少なくとも2つのドアを、材木のようなもので開かないようにしていたとみられる。
教会付属の受胎告知カトリック学校は1923年の設立で、幼稚園児から8年生(日本の中学2年生)までの約400人が在籍。今週から新年度が始まったばかりだった。CNN(英語)によると、ウェストマン容疑者は同校を2017年に卒業しており、母親は16~21年の5年間、同校に勤務していた。
米ニューヨーク・ポスト紙(英語)によると、ウェストマン容疑者は17歳の時、ロバートからロビンに改名する申請を裁判所に行い、20年1月に認められていた。嘆願書には「女性であると認識しており、その認識を名前に反映させたい」と書かれていたという。
セントポール・ミネアポリス大司教区のバーナード・ヘブダ大司教は同日、声明(英語)を発表。「子どもたちや教師の皆さん、聖職者や信者の皆さんのことを思うとき、また、私たちが安全を感じることができるはずの教会で、彼らが目撃した恐怖のことを思うとき、私の心は張り裂けそうです」と述べ、悲しみを表明した。
また、ローマ教皇レオ14世を含め、世界中から寄せられた祈りに感謝を示すとともに、継続的な祈りを要請。銃による暴力の根絶を訴え、「私たちが最も必要とするのは神の愛であることを、改めて心に留めておく必要があります」と話した。