
米キリスト教世論調査機関「ライフウェイリサーチ」は12日、元牧師に退職した理由などを尋ねた調査の結果(英語)を発表した。それによると、約3分の1が「教会内の対立」や「燃え尽き症候群」を理由に辞めたことが分かった。
調査は、4つのプロテスタント教団(アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団、ナザレン教会、ウェスレアン教会、南部バプテスト連盟)のいずれかの教会で主任牧師(教会に牧師が1人の場合を含む)を務めた人で、66歳以前に退職した730人を対象に、5月6日から7月6日にかけてオンラインで実施した。
それによると、回答者の40%が「召命の変化」を、18%が「教会内の対立」を、16%が「燃え尽き症候群」を、それぞれ退職の理由として挙げた。他には、「家庭の問題」(10%)、「個人的な財政事情」(10%)、「病気」(6%)、「教会との相性不一致」(6%)、「教団の問題」(4%)、「新型コロナウイルスのロックダウンによる教会閉鎖」(3%)などがあった。
「教会内の対立」が原因で辞めた人のうち、45%が牧師としての最後の1年間に重大な衝突を経験したと回答した。
また、元牧師全体の87%が「最後の教会で何らかの衝突を経験した」と回答しており、そのうち56%が、何らかの変更を提案したことによって衝突を経験し、49%がその結果として「重大な個人攻撃」を受けたと答えた。
1つ目の教会で牧師を辞めた人は43%で、主任牧師としての奉仕期間が10年未満で辞めた人も43%だった。一方、牧師を辞めた後も、53%は異なる立場で奉仕を続けていると回答した。
現役牧師へのアドバイスでは、「結婚生活と家庭を優先する」(20%)、「神と過ごす時間を持ち、聖書を読む」(16%)、「召命を忘れず、神に信頼する」(14%)を挙げる人が多かった。
信徒へのアドバイスでは、「牧師の家族を愛し尊重する」(14%)、「牧師のために祈る」(14%)、「牧師に休暇を与え、それを守る」(12%)、「牧師を励まし気遣う」(11%)、「協力的である」(10%)、「明確で現実的な期待をする」(10%)などが比較的多かった。
ライフウェイリサーチは、2021年にも同様の調査を実施している。その際は、元牧師の32%が「召命の変化」を、18%が「教会内の対立」を、13%が「燃え尽き症候群」を退職の理由に挙げていた。
なお、ライフウェイリサーチの別の調査(英語)によると、牧師の離職率は、プロテスタント全体で1・1%とかなり低く、牧師を辞める人が多いわけではない。