2025年8月17日06時59分

ワールドミッションレポート(8月17日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(1)

執筆者 : 石野博

今、オランダ各地の難民センターの間で、静かなリバイバルが進行している。数人の新しい信者が集まって始まった小さな交わりが、今ではオランダ国内全域、さらには国外にも広がる活発な教会ネットワークへと成長しているというのだ。

現在、オランダには600人以上のペルシャ語話者の信者がおり、公式・非公式の集会に参加している。彼らはペルシャ語(ファルシ語)で礼拝をささげ、大胆かつ喜びをもって福音を高らかにたたえているのである。

この中で注目されるのが、アイントホーフェンを拠点とする「セブン・ミニストリーズ」だ。牧師のモーセン・シェカリプール氏が率いるこの群れは、日曜日になると120〜150人が集う。元プロテスタント教会の建物を他の群れと共有し「特定の教派には属さず、ファルシ語を話す全ての信者に開かれた交わりの教会」だとシェカリプール氏は説明する。

セブン・ミニストリーズは、アイントホーフェンとロッテルダムで、月2回の対面礼拝を行うほか、欧州や中東各地のペルシャ語を使う信者に向けて礼拝をライブ配信している。小さな家庭集会から始まった働きは、今や世界的なネットワークに発展し、フォロワーは2500人に達する。さらに、将来の牧師候補として約50人がオンラインの弟子訓練プログラムで学んでいる。

こうした背景には、オランダが中東からの亡命者を多く受け入れている現状がある。彼らは、祖国では信仰を公にできなかったが、自由な環境で信仰を持ち、仲間とつながり、礼拝をささげる喜びを味わっているのだ。

シェカリプール氏自身も、かつてイランで地下教会を導く立場にあったが、神から「国を出て私の教会を広げなさい」という明確な召しを受け、亡命後に難民センターでの福音宣教を開始した。時には反発や脅しに直面したが、やがて、反対していた人々がキリストに立ち返るのを目の当たりにしたという。(続く)

■ オランダの宗教人口
プロテスタント 18・3%
カトリック 25・7%
ユダヤ教 0・2%
イスラム 5・5%
無神論 46・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。