2025年7月27日07時33分

ワールドミッションレポート(7月27日):南アフリカ 2トンの福音、ズールー語ブックレットが7千人の若者に届けられる

執筆者 : 石野博

今月、南アフリカ・クワズール・ナタール州の山間に位置するクワシザバントゥ・ミッションで、大規模なユースカンファレンスが開催され、7千人以上の若者たちが集まった。礼拝と教え、霊的刷新を目的とした1週間に及ぶ集会である。

この大会で注目を集めたのは、リビングストーン・フェローシップのピーター・ハモンド博士によって配布されたワールド・ミッショナリー・プレス(WMP)製作のズールー語福音ブックレットだ。WMPのヘレン・ウィリアムズ氏によれば、カンファレンスに合わせておよそ2トン分(推定1万8千冊以上)の冊子が配布されたという。

南アフリカは、表面的にはキリスト教徒の割合が高い(国民の約80%)が、伝統的な教派の衰退とともに、繁栄の神学や異端的運動、カルト的団体への傾倒が広がっている。とりわけ若者たちの間では、信仰の名の下に、真理から逸れた偽りの教えが浸透していく危険性がある。

このような状況の中で、聖書の真理そのものを手渡す働きはますます重要性を増している。特に、ズールー語は南アフリカ最大の母語であり、話者数はおよそ1200万人に及ぶ。地元の青年たちが母語で福音に触れられることは、霊的成長の上で非常に大きな意義を持つのだ。

配布された冊子は、一時的なイベント用資料ではなく、家庭、学校、村々へと運ばれ、さらなる波紋を広げていくことが期待されている。「ある一冊が、一人の魂に届く。その一人の魂が、また別の誰かへと福音を伝えていく」──まさに霊的連鎖反応のように、聖書の真理が人々の人生に変革をもたらすのだ。WMPでは、このような機会を見逃すことなく、現地の協力者と共に、福音のメッセージを人々の手に届けている。

今後も、このカンファレンスをきっかけに南アフリカ全土へ福音が拡大していくよう祈りが求められている。ズールー語の小冊子を手にした若者たちが、真理を見分け、偽りの教えに惑わされず、イエス・キリストに従っていくことができるように祈ろう。

ぜひ、南アフリカの若者たちが福音を携えて大胆に信仰を証ししていくように、またこの働きがアフリカ全土へと拡大していくように祈っていただきたい。

■ 南アフリカの宗教人口
プロテスタント 68・7%
カトリック 6・0%
正教 0・1%
イスラム 1・7%
ユダヤ教 0・15%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。