2025年7月15日09時14分

ワールドミッションレポート(7月15日):東アフリカ 弟子訓練が150人のバプテスマ志願につながる

執筆者 : 石野博

今、アフリカの東部地域で、霊的変革の波が静かに広がっている。しかもそれは大人ではなく、子どもたちによって起こされているのだ。

この動きの中心にいるのは、「セット・フリー(Set Free)」というキリスト教のNGO団体である。彼らは子どものスポンサー制度と教育活動を通じて、現地の子どもたちに福音を伝えている。実はその働きが子どもたち自身の内面を変えるだけでなく、彼らの家族や地域社会にも広がって影響を与えているのである。

「一部の子どもたちは、自分の友達に加えて、親にまで信仰を分かち合っているのです」。そう語るのは、セット・フリーのジッポラ・ベンティング氏だ。呪術や精霊信仰が日常生活に根強く残るこの地域において、8歳ほどの小さな子どもたちが、キリストにある自分のアイデンティティーを発見し、それを恐れることなく周囲に伝え始めている。

ある女子学生は、長年呪術に関わる親族に苦しめられてきた母親と聖書の言葉を分かち合った。そうするうちに、その母親の中で恐れが徐々に信仰に変わっていったのだ。

このような変化は、セット・フリーが運営するキリスト教系の高校「ライト・アカデミー」において、さらなる展開を見せている。最近では、150人を超える生徒が自らの意思でバプテスマを志願したのだ。これは学校側の呼びかけではなく、生徒たちの自主的な申し出であった。彼らは学校近くの湖で洗礼を受けたいと教員たちに願い出たのである。

「このことは私たちが計画していたことではありませんでした。彼らの方から教師の元にやって来て願い出たのです。完全に生徒主導の出来事でした」と、ベンティング氏は振り返る。

現在、セット・フリーのチームが現地を訪れ、この洗礼式に立ち会う準備を進めている。この出来事は、アイデンティティーに根ざした弟子訓練が、いかにして自然発生的な霊的成長とリバイバルをもたらし得るのかを物語っている。そしてそれは、新しい世代から始まっているのだ。

東アフリカの国で、若者たちが続々と自らのアイデンティティーをキリストのうちに見いだしている。彼らがなお救いの恵みにあずかるように祈っていただきたい。

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。