2025年7月10日23時30分

教皇レオ14世とゼレンスキー氏が2度目の会談 バチカン仲介の首脳級会合に意欲

教皇レオ14世とゼレンスキー氏が2度目の会談 バチカン仲介の首脳級会合に意欲
ローマ近郊カステルガンドルフォの教皇離宮で会談するローマ教皇レオ14世(左)と、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(右)=9日(写真:ゼレンスキー氏のXより)

ローマ教皇レオ14世は9日、ローマ近郊カステルガンドルフォの教皇離宮で、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。

バチカン(教皇庁)の発表(英語)によると、会談は和やかな雰囲気の中で行われ、2人は敵対行為を終結させるための最良の手段として、対話の重要性を改めて確認。教皇は、ウクライナ戦争の犠牲者に哀悼の意を示すとともに、ウクライナ国民への祈りと寄り添いの思いを伝えた。また、ロシア、ウクライナ両国の代表者を、交渉のためバチカンに迎える意向を改めて表明した。

ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)への投稿(英語)で、教皇と有意義な会話ができたとして感謝を表明。バチカンで、両国の首脳級会合を開催する提案は依然として有効であり、「完全に実現可能」だと強調した。その上で、この提案を拒否しているのはロシアだけだと批判した。

ゼレンスキー氏によると、会談では、ロシアに拉致されたウクライナの子どもたちの帰還を支援するためのバチカンの継続的な取り組みについても話し合われた。また、ウクライナを訪問するよう教皇を招待したという。

バチカン・ニュース(日本語版)によると、会談は約30分にわたって行われた。

2人が会談するのは、ゼレンスキー氏がレオ14世の就任ミサに参加するため、バチカンを訪れた5月18日以来2回目。ゼレンスキー氏は、ローマで10、11の両日に開催される「ウクライナ復興会議」に参加するためイタリアを訪れている。

レオ14世は現在、夏休暇のためバチカンを離れ、避暑地のカステルガンドルフォに滞在している。滞在は6日から20日までの予定で、この間は現地で職務を行う。その後、聖年の行事などのために一度バチカンに戻るが、8月中旬には再びカルテルガンドルフォで数日過ごす予定。