バルバドスは、カリブ海の東端に位置する小さな島国で、面積は約430平方キロメートル、人口はおよそ28万人だ。英連邦に属する国で、公用語は英語となる。美しいビーチと温暖な気候に恵まれ、観光業が経済の柱である。また、かつてのサトウキビ栽培を基盤とする農業も一部で残っている。1966年に英国から独立し、2021年には王政から共和制へ移行し、バルバドス初の女性大統領が就任した。
1627年に英国人が入植して以来、バルバドスは長らく英国の植民地として統治され、黒人奴隷の労働によってサトウキビ産業が栄えた。こうした歴史的背景の影響で、住民の多くはアフリカ系のルーツを持ち、クレオール文化やゴスペル音楽など、独自の宗教的・文化的伝統が育まれてきた。信仰面では、キリスト教が圧倒的多数を占め、特に英国国教会、メソジスト、福音派などが中心である。
しかし近年、信仰の実質的な後退が見られる。住民の大多数がキリスト教徒を名乗る一方で、キリストの主権に真摯(しんし)に従おうとする姿勢は少数派であると言わざるを得ない。物質主義の浸透、神学的リベラリズムの広がり、教会離れ、暴力や犯罪の増加など、霊的荒廃の兆しが明らかだ。国家としては教育水準が高く、民主的な政治制度が維持されているものの、若者を中心とした霊的な空白が課題とされる。
こうした現状の中で、バルバドスの教会が再び神に立ち返り、聖霊によって刷新されることが求められている。真の信仰による共同体の再建と、島全体のリバイバルのために祈っていただきたい。
■ バルバドスの宗教人口
プロテスタント 52・8%
英国国教会 32・0%
カトリック 4・3%
イスラム 0・9%
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