2025年6月18日12時12分

ワールドミッションレポート(6月18日):米国 自殺願望の若い女性、イエスとの出会いが彼女を救う(1)

執筆者 : 石野博

ギャビー・フォンテスは、自殺したいと思っていたわけではなかった。しかしある夜、車を運転していた彼女の心に突如として「このまま車で崖から落ちれば死ねる」という強い衝動がよぎった。

「サタンが『死ね』という思いを何度も私の心に投げかけてきたんです」とギャビーは言う。「本当に突然でした。私は死にたいなんて思っていませんでしたし、普段は幸せに生活していました。でも、心の奥底にぽっかりと空いたような、言葉にできないむなしさがあったんです」

彼女はテキサス州で育ったブラジル系米国人で、音楽が好きだった。周囲が大学進学やキャリアの追求に向けて意欲的に動く中、自分だけがそこから取り残されているように感じていた。

「私は神のことを何も知らずに育ちました。まるで自分だけが、本当の目的は何なのかを問い続けているような感覚でした。人生の意味って? 真理って何? みんなは自分の情熱を語っていたけれど、それって本当に全員に与えられるものなの?ってね。大学進学に集中している子が多い中で、私はその輪に入れなかったんです」

彼女はしばしば、悲しみや虚無感に襲われた。キリスト教についても、単なる道徳や規律を守る集まりとしか思えなかった。また彼女は、憧れの存在だったテイラー・スウィフトに自分を重ね過ぎてしまい、かえって自己否定を強めることになってしまったのだ。

気分を紛らわせようとジャンクフードを食べあさり、地元の短期大学に通い始めたが、「私はひどいうつでした。人生に意味を見いだせずにいたんです」と語った。

そんなある夜、彼女は夢の中で神に出会った。

「空を見上げると、雲の間に神様がおられたのです。私は自分の外側に存在する “何か” を初めて意識したんです。耳にはバイオリンの音が鳴り響き、神様が私に語りかけてこられました。その言葉が私に命を吹き込んでくれたのです。そして、その音楽は空からではなく、私の内側から響いていました」

彼女が目を覚ました後も、その音楽は2分も耳に残っていたという。「それがあまりにもリアルでした」と彼女は語る。(続く)

■ 米国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 21・2%
正教 1・7%
ユダヤ教 1・7%
イスラム 1・6%
無神論 16・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。