2025年6月17日19時32分

ワールドミッションレポート(6月17日):ブルガリア 聖書の学び会と占い師の回心

執筆者 : 石野博

ブルガリアのマルガリータ(※登場する人物の名前は仮名となる)は、毎週聖書の学び会を開いている。この会には誰でも参加できる。彼女がそうするのは、福音を聞いたことがない人々に、なんとかして神の言葉を蒔(ま)きたいと願っているからだ。それは彼女の使命であり、信仰の実践なのだ。

「ある日、ペンカという女性がグループに来ました。彼女には、何か特別なものを感じました」とマルガリータは語る。「それまで一度も会ったことがありませんでしたが、話を聞いていくうちに、彼女が占い師だということが分かりました。しかも3代も続く占い師の家系だったのです」

ブルガリアでは、占い師は非常に影響力のある霊的存在と見なされている。その多くは女性であり、占いや薬草、呪術などを使って癒やしも行う。これらは一つの職業として社会的にも認められており、さまざまな階層の人々がその助けを求め、大金を支払っている。

グループの人々が、ペンカの話を聞きながら神の言葉を分かち合っていく中で、ぺンカの心に深い変化が起き始めた。「自分が長年歩んできた道は、神に喜ばれるものではなかったと気付きました。その夜、私は神の前に自分の罪を告白し、イエス・キリストを救い主として受け入れたのです」とペンカは語る。

マルガリータとグループの仲間たちは、心を込めてペンカのために祈り、神が彼女から汚れた霊を追い出し、神の平安と臨在で満たしてくださるようにと祈った。「あの祈りの後、占いの霊が去り、まるで重たい荷物が肩から取り去られたような気がしました。今の私は、それまで経験したことのない自由を感じています!」とぺンカは語る。

「私たちは今も、ペンカと共にその新しい信仰の道を歩んでいます。彼女の人生に蒔かれた御言葉の種が、しっかりと根を張り、やがて永遠に残る実を結ぶことを願っています」とマルガリータは言う。

主イエスは言われた。「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出かけた。蒔いているとき、種が道ばたに落ちた。すると、鳥が来て食べてしまった。また、別の種が土の薄い岩地に落ちた。土が深くなかったので、すぐに芽を出した。しかし日が上ると、焼けて、根がないために枯れてしまった。また、別の種がいばらの中に落ちた。ところが、いばらが伸びて、それをふさいでしまったので、実を結ばなかった。また、別の種が良い地に落ちた。すると芽ばえ、育って、実を結び、三十倍、六十倍、百倍になった」(マルコ4:3〜8)

ブルガリアの小さな聖書の学び会で、今日も御言葉の種が蒔かれている。この種が豊かな実を結ぶように祈っていただきたい。

■ ブルガリアの宗教人口
正教徒関係 78・56%
プロテスタント 2・28%
カトリック 0・99%
イスラム 12・1%
ユダヤ教 0・04%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。