2025年6月13日23時21分

米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決
1万人を超える代議員が参加して、米テキサス州ダラスで開かれた南部バプテスト連盟(SBC)の2025年の年次総会の様子(写真:バプテストプレス / Roy Burroughs)

米最大のプロテスタント教団である南部バプテスト連盟(SBC)は10日、テキサス州ダラスで開催した年次総会(8~11日)で、同性婚、ポルノ、人工妊娠中絶薬の禁止を求めるそれぞれの決議案を、圧倒的多数で可決した。

「ジェンダー、結婚、家族に対する神のデザインを通して道徳的明瞭さを回復することに関して」(英語)と題した1つ目の決議案は、「オーバーグフェル対ホッジス裁判」の判決を覆すことを求めたもの。同裁判では、連邦最高裁が2015年、同性婚に対する州による制限を違憲と判断。これにより、同性婚が事実上、米国の全ての州で合法化された。

決議案は、「一人の男と一人の女の間の結婚を肯定し、男と女という生物学的現実を認め、性的捕食から子どもたちの純粋さを守り、教育と医療における親の権利を肯定・強化し、人生を肯定する方法で家族形成を奨励し、スポーツ競技における安全と公平性を確保する法律」の制定を提唱している。

米国ではここ最近、一部の共和党議員の間で、オーバーグフェル対ホッジス裁判の判決を覆し、州レベルで同性婚を禁止できるようにしようとする動きが強まっている。1月には、アイダホ州で同裁判の判決の再考を求める決議案が可決され、ミシガン、モンタナ、ノースダコタ、サウスダコタなどの幾つかの州でも同様の動きが支持を集めている。

「ポルノの禁止に関して」(英語)と題した2つ目の決議案は、「ポルノを全国的に根絶する究極の努力として、あらゆるメディアにおけるポルノコンテンツの作成、出版、ホスティング、配布を禁止する包括的な法律を制定し、年齢確認や民事責任を含む厳格な執行メカニズムを提供すること」を求めている。

この決議案では、連邦議会とドナルド・トランプ大統領が、人工知能(AI)が生成したディープフェイクを含め、本人の同意がないオンライン上のポルノ画像を、作成または共有した者に対する厳罰を制定する「テイク・イット・ダウン法」(英語)を可決・成立させたことを歓迎している。

「化学的中絶薬の道徳的悪と医学的危険性に反対することに関して」(英語)と題した3つ目の決議案は、SBCに対して「化学的中絶によって出産前の命が破壊され続けていることを嘆き、危険な薬物と欺瞞(ぎまん)的行為にますます依存する中絶産業による女性の搾取を非難する」ことを求めている。

「私たちは食品医薬品局(FDA)に対し、ミフェプリストン(中絶薬)の認可を直ちに取り消し、以前に削除された全ての安全性に関する確認手順を元に戻し、実際のデータを用いて化学的中絶薬を再評価するよう求める」

「私たちは連邦議会と州議会に対し、化学的中絶薬の製造、販売、流通、郵送を禁止する法律を制定し、これらの害に加担する製薬会社と医療提供者の責任を追及するよう強く求める」