2025年6月8日19時09分

トラウマからの解放と癒やし 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

ある日、献血を呼びかけている声を聞いて、トラウマを思い出しました。16歳で原付と自動二輪の免許を取得し、そば屋の出前のバイトを始めました。出前で鮫洲運転免許試験場に行った帰りに、献血を呼びかけられました。

「すぐに終わりますので、仕事中でも問題ありません!」と言われて、良いことだと思って引き受けました。献血を終えて、出前バイクのカブに乗って店に戻ると、店長が心配そうに私に声をかけました。

「遅かったけれど何かあったの?」「献血を頼まれて・・・」「バカヤロウ! クビだ! 今すぐ帰れ! 給料は明日取りに来い!」怒鳴られたショックと、400ccの献血をしたせいか、貧血になり、その場に座り込んでしまいました。

それ以来、いまだに献血をしたことがありません。トラウマになっていたのです。

私のトラウマの解決法、癒やしの方法は、トラウマになった場所に行き、もう一度同じ経験をすることです。

かつて、苗場スキー場でうまい人たちを見て圧倒されて、せっかく行ったのに、そのまま帰って来てしまったことがありました。もう一度苗場スキー場に行って、そのゲレンデを滑り降りることで、そのトラウマが癒やされました。

同じように、もう一度献血をしてもよいと思いましたが、血圧が低いので、貧血になる可能性があるし、献血は断念しました。16歳といえども、私にも問題がありましたし、仕事中の私に献血を呼びかけた人にも問題があったと思います。

そこで、失敗した自分と、仕事中に声をかけた献血の人を許す祈りをしました。その瞬間、トラウマは消え、解放されました。

トラウマは、癒やされ、解放されることが可能です。あなたの心にトラウマがあるとしたら、トラウマになった場所に行ってみたり、失敗した自分や、あなたにつらい思いをさせた人を許したり、受け入れたりしてください。

傷は次第に癒やされ、心は解放されます。トラウマからの解放と癒やしを祈ります。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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