2025年5月23日17時35分

ワールドミッションレポート(5月23日):イラク 熱心なイスラム教徒、真摯な求道の結果イエスを見いだす

執筆者 : 石野博

かつて、熱心なイスラム教徒であったシャフラズ・ジールは、英国兵士としてイラクに派兵され、駐屯していた。彼は、熱心にイスラム教、ニューエイジ、そしてサイケデリック体験を追求し、長年にわたり真理を探求してきた。しかし、彼が試したそれらのどれもが、結局、彼が「心の渇き」と呼ぶ内なる欲求を満たすには全く不十分だった。

転機は、ジェイコブというキリスト信者の友人との交流から始まった。ジェイコブは、シャフラズに辛抱強く福音を伝え、多くの疑問に答えてくれたのだ。疑念と闘いながら真理を探し求めていたシャフラズに、ジェイコブは一冊の本を手渡した。それはナビール・クレシが書いた『アッラーを求めて、イエスを見いだす』という書籍だった。

それを手にしたシャフラズは、その本に読み入った。というのも、そこにはまるで自身のことが書かれているかのようで、著者の体験を追体験しているように感じたからだ。イスラムを離れることの恐れや疑念、そして多くの葛藤と闘いながら真理を探し求めていたシャフラズに、主は一つのビジョンを見せてくださった。

幻の中で、シャフラズは完全に解放され、考えられないような喜びの中で洗礼を受けている光景を見たのだ。キリスト信者の友人たちと祈りをささげているうちに、ついにシャフラズはイエスを主として信仰を告白したのである。彼はこの瞬間のことを「激しい内なる戦いがついに終わったように感じました!」と述べた。

彼の洗礼式は、まるで神の約束の不変であることと心の平安を象徴するかのような二重の虹の下で行われた。洗礼式を経て、シャフラズは、手で触れるかのような深い自由と喜びを感じた。そして長年の悪癖だったタバコへの依存は瞬く間に消え去ったのだ。

現在シャフラズは、オーストラリア、ニュージーランド、スリランカなど、世界各地を巡りながら、キリストにあって見いだした希望を人々に伝えている。燃えるような信仰と情熱を持って、彼はこう語る。「これは、ほんの始まりに過ぎません」と。

主イエスは言われた。「求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれであれ、求める者は受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます」(マタイ7:7、8)と。

そう、シャフラズがそうであったように、真理を求める者は、必ずそれを見いだすのだ。そして彼らは、その答えを、主イエスの中に見いだすのである。シャフラズのように、イスラムから改宗した信者は、深く献身する信者になるケースが多い。彼らの献身と伝道のために祈ろう。人々がキリストを見いだすことができるように祈っていただきたい。

■ イラクの宗教人口 ※内線前統計
イスラム 98・6%
プロテスタント 0・2%
カトリック 0・04%
正教会 0・3%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。