2025年5月19日18時01分

教皇レオ14世の就任ミサ、世界150カ国・地域から代表が参列 日本からは麻生元首相

教皇レオ14世の就任ミサ、世界150カ国・地域から代表が参列 日本からは麻生元首相
バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場で行われた就任ミサで、教皇の司牧者としての権威と使命を象徴する羊毛製の「パリウム」を託される教皇レオ14世=18日(写真:英イングランド・ウェールズ・カトリック司教協議会 / Mazur)

カトリック教会のローマ教皇レオ14世の就任ミサが18日、バチカン(教皇庁)のサンピエトロ広場で行われた。

バチカン・ニュース(日本語版)によると、世界150以上の国・地域から代表が参列し、サンピエトロ広場とバチカン周辺には約20万人の信者が詰めかけた。日本からは、カトリック信者でもある麻生太郎元首相が特使として参列した。

レオ14世はミサ開始前、教皇専用の特別車「パパモービル」に乗って姿を現し、サンピエトロ広場を一巡。広場に集まった信者らに歓声で迎えられた。その後、サンピエトロ大聖堂に入り、初代教皇とされる使徒ペトロの墓前で祈りをささげた。

大聖堂から広場へ移動してミサが始まり、レオ14世はその中で、司牧者としての権威と使命の象徴である羊毛製の「パリウム」と、ペトロの後継者を象徴する「漁夫の指輪」を託された。

説教(英語)では、前教皇フランシスコの死去や、自身が選出されることになったコンクラーベ(教皇選挙)を振り返りつつ、「私は何の功績もない中で選ばれ、今、恐れとおののきをもって、皆さんの信仰と喜びに仕え、皆さんと共に神の愛の道を歩むことを望む一人の兄弟として、皆さんのところに来ました」と述べた。

その上で、「愛と一致」が、イエスがペトロに託した使命の2つの重要な要素だったと強調。神の「無限かつ無条件の愛」を語りつつ、ペトロに託された愛とは、信じる者たちの群れのために命さえささげる自己犠牲的な愛だと伝えた。

また、一致した教会は「和解した世界のパン種」になり得ると指摘。現在の世界には「あまりにも多くの不和や傷」があるが、「私たちは世界の中で、一致、交わり、友愛の小さなパン種になりたいと願っています」と述べた。

その上で、「私たちは謙虚に、そして喜びをもって世界に向かってこう言いたいのです。『キリストに目を向けてください! キリストに近づいてください! 教えと慰めを与えるその言葉を受け入れてください! キリストの愛の申し出に耳を傾け、キリストの一つの家族となってください』。私たちはキリストにあって一つなのです」と伝えた。

ミサ後、レオ14世は再び大聖堂に入り、各国・地域の代表者ら一人一人とあいさつを交わした。

教皇レオ14世の就任ミサ、世界150カ国・地域から代表が参列 日本からは麻生元首相
日本政府の特使として、レオ14世と面会する麻生太郎元首相=18日(写真:外務省)

外務省の発表によると、麻生氏はこの場でレオ14世と面会し、教皇就任への祝意を伝えるとともに、日本とバチカンの友好関係が一層発展することへの願いを述べた。麻生氏はこの他、同じくミサに参列していた米国のJ・D・バンス副大統領やマルコ・ルビオ国務長官、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、カナダのマーク・カーニー首相らとも短く懇談した。

レオ14世はこの日、宣教師として派遣され、長らく司牧していたペルーのディナ・ボルアルテ大統領、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とは、個別に面会の時を持った。