2025年5月17日11時55分

ワールドミッションレポート(5月17日):パキスタン 南部パンジャブ州のサライキ語話者のために祈ろう

執筆者 : 石野博

シャキール(※仮名)は、パキスタン南部パンジャブ州に住む2600万人のサライキ語話者の一人だ。この地域は、小麦、綿花、サトウキビ、マンゴーの生産地であるにもかかわらず、農村地帯では貧困にあえぐ者が後を絶たない。

このパキスタン南部パンジャブ州は、先日リバイバルの報告をしたインド北部パンジャブ州とは区別される。正確に言うなら、英国統治時代まではもともと大きな一つのパンジャブ地方だったが、1947年のインド・パキスタン分離独立を境に、パキスタン側のパンジャブ州とインド側のパンジャブ州に分かれたのだ。

近年、この州の一部地域に洪水が壊滅的な被害をもたらし、人々をより深刻な貧困に陥れている。南パンジャブ地方は、その古代からの歴史、美しい手工芸品、神秘的な詩、そしてイスラム神秘主義者たちにスーフィーと呼ばれる聖者らにささげられた数多くの聖堂を誇りとしている。

これらの聖堂を巡る巡礼の祭りには、心身の癒やしや個人的な問題、経済的な問題、その他人生のあらゆる課題の解決を求める者たちが、毎日何千人も訪れている。人々は、人生の意味と変革をもたらす力を切実に求めているのだ。 実はシャキールも、そのような者の一人だった。

彼はこう語る。「私は幼い頃からとても信心深く、イスラム教の慣習を厳格に守っていました。当時の私は、非イスラム教徒、特にキリスト教徒を憎んでいました。ところがある日、その憎しみをやめるようにと、夢の中で何者かに告げられました。それ以来、私は他の宗教の人々と友情を築こうと努めるようになりました」

やがてシャキールは、ソーシャルメディアでイエスについて書かれた投稿を偶然見つけ、イエスについて学び始めた。シャキールはこう説明する。

「フェイスブックで出会った兄弟がイエスについて教えてくれました。それがきっかけで新約聖書、特にヨハネによる福音書を読むようになり、信仰が強まりました。やがて聖書全巻を手にし、信仰はさらに深まっていったのです。人間的に言えば、困難を伴うことは承知の上でしたが、私は心からイエス・キリストを信じ、受け入れました。この新しい信仰の旅路において、私が強く立つことができるように、そして家族がキリストを知ることができるように、どうかお祈りください」

シャキールがそうだったように、イスラムが強くキリスト教徒が迫害される地域の者ですら、今ではソーシャルメディアを通じて福音の知らせを聞き、イエスの物語を説明できる信者たちとつながることができる時代なのだ。

ますます多くのサライキ語話者が夢や幻を通してイエスに出会うように祈ろう。新しく生まれた信者と群れが守られ、信仰を分かち合う勇気と知恵が与えられるように祈っていただきたい。

■ パキスタンの宗教人口
イスラム 95・8%
プロテスタント 1・8%
カトリック 0・8%
ヒンズー 1・8%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。