
カトリック中央協議会は12日、新ローマ教皇レオ14世に関する、日本カトリック司教協議会会長の菊地功枢機卿(東京大司教)によるメッセージ(9日付)を発表した。
前教皇フランシスコの死去を受け、バチカン(教皇庁)のシスティーナ礼拝堂で行われたコンクラーベ(教皇選挙)では、司教省長官のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69)が8日、第267代教皇に選出された。米国出身初の教皇で、教皇名には「レオ14世」を選んだ。
菊地枢機卿は、レオ14世について、聖アウグスチノ修道会の総長や、ペルーの宣教師や教区司教を務めた経験があるほか、直近まで司教省長官を務めていたことを踏まえ、「福音宣教の現場」と「司教の役割」に精通している教皇だと説明。「教会の司牧の現場と行政の現場の両方に深い知識と経験を持つ、力強い牧者」だとした。
前教皇の死去後、コンクラーベ前日までほぼ毎日行われた枢機卿総会には、毎回180人近い枢機卿が参加し、日本から参加した菊地枢機卿、前田万葉枢機卿(大阪高松大司教)を含め、ほぼ全員が発言する機会を与えられたという。総会では、前教皇の決断力と行動力に対する感謝の言葉が繰り返し語られるとともに、その継承の必要性が何度も強調された。
一方、枢機卿たちは、「第二の教皇フランシスコ」ではなく、教会を忠実に導く使徒ペトロの後継者を捜し求めることに深く心を留めていたと菊地枢機卿は言う。また、多くの枢機卿が、多様性を尊重しつつも、信仰における明白性を持って、教会が一致することの重要性を強調していたと述べた。
「レオ14世がどのような司牧の道を進まれるのかは未知数です。教皇フランシスコとは異なる道を歩まれるかもしれません。引き継がれることも多くあるでしょう。そういった教会の現実の中で、ペトロの後継者に聖霊の豊かな祝福と、護りと、導きがあるように、教皇様のために日々お祈りいたしましょう」
菊地枢機卿は最後に、レオ14世がサンピエトロ広場で伝えた最初のメッセージで、キリストの平和を確立することの重要性を説いたことに言及。また、現在の社会教説の基礎となった回勅『レールム・ノヴァールム』(1891年)を発表した第256代教皇レオ13世の名前を引き継いだことにも触れ、「社会に対する教会の働きかけについての強い思いがあるものと思います」と述べた。
菊地枢機卿は自身のブログにも同じ内容のメッセージを掲載しているほか、コンクラーベに関する公開可能な内容や宿泊した宿舎「聖マルタの家」の様子などについても、ブログでつづっている。