カルメリタ(仮名)は、フィリピンに住む高校生であったが、彼女の生活は悪循環に陥っていた。彼女の悪い習慣や問題行動が、家族にとっては大きな悩みの種だった。両親はしつけをしたり、警告したり、励ましたりして彼女が変わることを促そうとしたが、何をしても効果はなかった。
カルメリタが、そうした行動を助長する友人たちと付き合い始めたとき、彼女の母親は深刻な危機感を抱き、答えを探し始めた。だが、神は既にその答えを用意していたのだ。フィリピンの公立学校で聖書を教える価値観教育ミニストリーの指導者のクリサント牧師が、カルメリタの高校でキリスト教的価値観を教える授業を始めたのだ。
その授業を通して、神はカルメリタの心に触れ、彼女はイエス・キリストを救い主として受け入れ、人生を委ねる決心をしたのである。
「授業が進むにつれて、カルメリタは全くの別人のように変わっていきました。ある日、彼女の母親が私のもとを訪れ、『娘をどうやって変えたのですか?』と尋ねました。さらに『何か “良い呪文” でもかけたのですか?』とまで言ったのです。私がイエスについて語り始めると、彼女はもっと知りたいと願うようになりました」とクリサント牧師は語る。
現在カルメリタとその家族は、自宅で近隣の人々や親戚を招いて聖書の学び会を開いている。「私の人生は、クリサント牧師の教えを通して変えられました。私が知っている全ての人に、イエスのことを伝えたいと思っています」とカルメリタは言う。
フィリピンでは、公立学校でも価値観教育として聖書の教えを学ぶことができるのだ。カルメリタとその家族は、そのプログラムの実なのである。フィリピンで価値観教育がなお豊かな実を結ぶように祈っていただきたい。
■ フィリピンの宗教人口
カトリック 79・9%
プロテスタント 13・3%
イスラム 5・7%
土着の宗教 0・7%
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