2025年4月29日13時37分

ワールドミッションレポート(4月29日):ボスニア・ヘルツェゴビナのために祈ろう

執筆者 : 石野博

ボスニア・ヘルツェゴビナは、バルカン半島に位置する国だ。1992年に旧ユーゴスラビアから独立を果たしたが、その直後に民族間の対立が激化し、92年から95年にかけて内戦が勃発した。イスラム教徒のボシュニャク人、カトリックのクロアチア人、正教徒のセルビア人といった民族・宗教グループが激しく衝突し、多くの人命が失われた。サラエボの包囲やスレブレニツァの虐殺など、歴史に深い傷を残した出来事も多い。

戦争終結から約30年が経過しているが、復興はいまだに道半ばである。多くの人々がかつての住まいに戻れず、地域社会には不信と分断が根深く残っている。道路や建物など、目に見えるものが再建できたとしても、人々の心に刻まれた傷を癒やすのは容易ではない。そこに真の和解と癒やしをもたらすことができるのは、主だけであり、福音だけだ。

国は経済面においても疲弊しており、困難に直面している。高い失業率と貧困、そして組織犯罪のまん延が国の発展を妨げている。特に若者の間には希望が持てない空気が漂い、彼らの60%以上が国外への移住を望んでいるという。この国の将来を担う若い世代が失望ではなく、キリストにある希望を持って歩むことができるよう、祈りが必要だ。

プロテスタント人口は少なく、福音が十分に届いていない地域がほとんどだ。彼らの霊的な渇望は真の神によってのみ満たされるのだ。現地で奉仕する宣教師たちが知恵と愛をもって仕え続けられるよう祈ろう。また、現地において信仰を持つ新しい世代が起こされ、主の教会を建て上げることができるように祈っていただきたい。

■ ボスニア・ヘルツェゴビナの宗教人口
カトリック 12・6%
プロテスタント 0・1%
正教関係 28・2%
イスラム 54・2%
無神論 4・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。