2025年4月23日17時29分

ワールドミッションレポート(4月23日):シエラレオネ キリストの無償の愛を届ける病院船

執筆者 : 石野博

マーシー・シップスは、1978年に設立されたキリスト教系の国際NGOで、アフリカ諸国を中心に、病院船を用いて無料の外科手術や医療支援を提供している。主な船には「アフリカ・マーシー号」と「グローバル・マーシー号」があり、年間数千件の手術と医療従事者の育成を行っているのだ。グローバル・マーシー号は世界最大級の医療船で、現在シエラレオネで活動している。

シエラレオネは西アフリカに位置する人口約879万人の国だ。1991年から2002年まで内戦が続き、2014年にはエボラ出血熱の流行により大きな被害を受けた。現在も貧困や教育、医療などの課題に直面している。

そんなシエラレオネ出身のユシフ君は5歳の時、毒蛇にかまれた。彼は医療を受けられず、腕が萎縮してねじれたまま固定されてしまった。それでユシフ君は、恥ずかしさから、心を閉ざしていったのだ。地元の医師は切断を勧めたが、母親は諦めなかった。

2023年、心を閉ざしたままでいたユシフ君に、希望の光が差し込んだ。そう、彼はグローバル・マーシーで医療サービスを受けることができたのだ。ボランティアの外科医テルティウス・ヴェンターによる3時間もの手術とリハビリの結果、ユシフ君の腕は元通りに動くようになったのである。

「今は元気です。サッカーもできるし、ママの手伝いもできるよ! もう恥ずかしがらずに学校にも行けるんだ!」とユシフ君は喜びの声を上げた。

キリストの愛に基づいて活動するマーシー・シップスは、世界最大級の病院船を用いて、発展途上国など、医療資源が限られた地域で無償の医療を提供している。それは単に医療を提供するだけでなく、キリストの手となり足となり、医療を受けられない人々に癒やしと尊厳、そしてキリストの愛と希望を届け続けているのだ。

マーシー・シップスの働きがますます主の愛をデモンストレーションして、多くの人々に希望を届けることができるよう、祈っていただきたい。

■ シエラレオネの宗教人口
イスラム 63・0%
プロテスタント 5・9%
カトリック 3・7%
単立 2・8%
聖公会 0・5%
土着宗教 23・3%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。